コラム(発達障がい)


自閉スペクトラム症

 

自閉スペクトラム症には、自閉性障害、小児期崩壊性障害、アスペルガー障害の3つが含まれています。

ただ、これらの障害のうち厳密にどれに該当するのかを診断することは難しいため、1つのスペクトラム(連続体)として捉えることになっています。

 

DSM-5では、その診断基準として大きく2つの項目を挙げています。

 

1つ目は「社会的コミュニケーションおよび相互関係における持続的な障害」があること、2つ目は「限定された反復的な行動や興味、活動がみられる」ということです。

 

補足として、知覚過敏や知覚鈍磨といった知覚異常があること、幼児期の発症に限らないことなども付け加えられています。

 

こうした症状が認められ、社会生活や職業上で重大な障害を引き起こしている場合に自閉スペクトラム症と診断されます。




ADHD(注意欠如/多動症)

 

座って先生の話を聞くことができなかったり、勉強や遊びに取り組んでもすぐに飽きてしまい、別のことを始めてしまったりする子、こうした子どもは、クラスの中でも1人や2人くらいはいるといわれています。

 

これは、親のしつけや本人の性格の問題ではないことが多く、脳の機能異常によって起こる発達障害の一つでADHD(注意欠如/多動症)といわれています。

12歳未満に発症し、不注意、多動・衝動性の2つの症状が特徴的です。

 

ADHDがあると勉強にじっくり取り組むことができず、成績は下がる一方です。そして、本人も自身を失くしてしまいがちです。

周囲の大人が障害の特性をよく理解した上で対応していく必要があります。

 

なお、多動に関しては10歳頃から症状が落ち着いてきますが、薬物療法が効果的だといわれています。



コラム(こころの病気)

適応障害

 

進学や就職、転勤、結婚など、人生の新たな一歩を踏み出すときには、環境の変化が伴うものです。

環境の変化は大きなストレスにもなりますが、多くの場合は最初は緊張しながらも、しだいに新しい環境に適応していきます。

 

しかし、中には新しい環境に適応できないケースもあります。

「早く慣れなければいけない」と頭では理解していながらも、感情的には「ここから逃げてしまいたい、どうしても馴染めない」という相反する状態に陥ってしまうのです。

 

すると、抑うつ症状や不安感が現れたり、普段とは違う行動をとったりすることがあります。これが、適応障害です。

 

明確なストレスの原因から3ヶ月以内に症状が現れ、日常生活に支障を来たしている場合に診断されます。一般に几帳面で真面目、ストレスへの適応能力が弱い人がかかりやすいといわれています。



(抑うつ障害)うつ病

 

うつ病の基本症状は、「気分が落ち込む、気がめいる、もの悲しい」といった「抑うつ気分」です。

また、あらゆることへの関心や興味がなくなり、何をするにも億劫になります。

知的活動能力が減退し、家事や仕事、勉強も進まなくなります。

 

抑うつ気分が強くなると、死にたいと考えたり(自殺念慮)、自殺を図ったり(自殺企図)します。自殺率はおよそ15%と高く、注意が必要です。

さらに「睡眠障害、全身のだるさ、食欲不振、頭痛」などといった身体症状も現れます。

 

うつ病の生涯有病率は3~7%で、女性の方が男性よりもかかりやすいことが分かっています。

年代別では、10代後半から壮年期にもっとも多くみられますが、老年期にもみられます。



心身症

 

私たちは毎日、さまざまなストレスに対して、体を働きを変化させることで適応しています。

 

たとえば、暑い場所にいて体温が上がると、汗をかいて体温を一定に保とうとします。

このような体の仕組みを「ホメオステイシス(恒常性)」といい、主に神経系、免疫系、内分泌系の3つが働いています。

 

しかし、非常に強いストレスがかかったり、長い間ストレスにさらされたりすると、神経系や免疫系、内分泌系のバランスが崩れて、体に器質的または機能的な障害が起こることがあります。

 

これが心身症です。

 

医学的な疾患名ではありませんが、身体疾患の中でその発症やストレスに大きく関わっている病態を指します。

 

心身症として分類される身体疾患は、偏頭痛やじんましん、気管支ぜんそく、過敏性腸症候群など、多岐に渡ります。



統合失調症

 

統合失調症の症状は多岐に渡りますが、「陽性症状」と「陰性症状」の2つに大別できます。

 

主に初期(急性期)に現れるのが「陽性症状」で、幻覚や妄想、思考障害などがあります。

中でも特徴的なものが妄想です。

 

「世界が破滅する」などの不気味な予感を抱いたり、ふと気になったものに対して、周囲の人が理解不能な意味付けをおこなったりします。

さらに「ずと監視されている」「自分の命が狙われている」などの被害妄想がよくみられます。

 

一方、陰性症状は主に慢性期に現れるもので、感情の平板化、意欲の低下、自閉などがあります。

 

なお、統合失調症の発症前には、前駆症状が現れるケースもあります。

たとえば、不安や緊張、性格の変化、不眠、倦怠感などが報告されています。

 



社交不安症(不安症)

 

披露宴でスピーチをする、会議で発表するなど、人前で何かをしなければならない機会はよくあると思います。

こうした場面で極度に緊張し、「失敗するのではないか」と強く不安を抱くものを「社交不安症」といいます。

 

社交不安症は、顔が赤くなったり、声がふるえたり、動機、発汗、吐き気、めまいなどが現れます。

 

かつて社交不安症は、人目を気にする日本人特有のものと考えられていました。しかし、現在では、アメリカなど世界的に広く見られるものだということが分かっています。

 

ただ、明確な自己主張が求められるアメリカ社会と、適度な自己主張とともに相手への気遣いが求められる日本社会では文化的背景が異なり、それが、発症の仕方や病態に影響しているのではないかとの指摘もあります。