皆さん、こんにちは。
発達障害ラボ室長の車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「公認心理士です。先日、WISC4検査を取りました。所見の書き方が分かりません。どのように書いたら良いのでしょうか。」
というものです。
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臨床心理士さんだったら、大学院出てたりするとは思いますが、もう出てる方お分かりのように、大学院でWISC4検査だけの所見の書き方、細かく習いません。
それは知っていますね。
私、関わった大学院とかって、全部知ってるわけじゃないし、少しですが、教えていないのは知っています。
だって、学ぶこと沢山あります。
WISC以外に心理検査たくさんあります。
もう田中ビネー、kbc2、新版形式などいっぱいあります。
だから、そこだけに重きを置くっていうのはできないというような形かなとは思います。だから、所見見ると、いろんな人の所見見ると、やっぱ間違ってる所見とかも結構あります。
あれ、これなんか違うとか。
あと、すっごい分かりにくい所見とかもあります。
もう抽象的すぎます。
この子の能力は中の上ですとか、中の上って何?
上の下と何が違うのって感じですね。
もう、あなたの能力は、このお子さんの能力は下の下ですって言われたら、もう嫌ですよね。
何下の下って意味がわかりません。
でこぼこが大きいです。
生きにくいでしょう以上みたいなのもあります。
いや、知ってるよ、生きにくいのは、でこぼこも見ればわかるよ。
だから、どうしたらいいのっていうのを知りたいっていうところだと思います。
そこまでやっぱり書いてある所見っていうのがやっぱり少ないし、心理士さんもそこまで読み取れていないです。
そんな人が多すぎると僕は思います。
じゃあ、どうすればいいのかというところです。
どうすればいいのでしょうか。
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まずまず、全体的な評価っていうのは必要だと思います。
評価分類っていうのがあると思います。
その評価分類、例えば、WISC4検査の指標得点、FSIQにおいて、130以上であれば、その能力はとても高いでしょうとかです。
その1個下だと、高いでしょうとか。
その間、その下、平均だと、平均でしょうみたいな形があります。
または、 僕は苦手なことは、苦手だし低いでしょうと書くのは、あんま好きじゃなくて、苦手でしょうとか、難しいでしょうなんていう書き方をしています。
だから、わかりやすく言うと、VCIが低いのであればVCI(言語理解指標)とか使う方もいますが、それじゃダメです。
VCIって何?って一般の人思います。
所見ってなんで書くようになったかというと、検査結果見てもVCIって何?
PRIって何?
何?っていうのをわかりやすく文章で書いてあげてくださいねっていうのが所見なんです。
それなのに、その所見に言語理解指標はこうですとか、指標特典間の差が激しいでしょうとか、有意差があるのでとか、そんなこと書いて誰がわかるんですかっていうふうに僕は思います。
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要は、何にも知識のない方でもわかるように文字で説明してねっていうのが、ほんとの所見の意味なんです。
専門用語って使っちゃ僕はダメだと思っています。
あくまで僕はです。
難解な文章書くのが、素晴らしいっていうわけでは、僕はないと思ってます。
誰にでもわかるように書いてあげるっていう方が親切ではないのかなと思います。
では、どうするのかというと、VCIや言語理解指標ではあれば、言葉の意味をちゃんと理解して使用する力とかに変えます。
PRIはちょっと幅が広いです。
だから、主訴に応じて書き方変えますが、空間認識であれば、物事を立体的に、空間的に捉える力とか。
または、頭の中で情報を整理整頓する力とかにします。
または、目で見た情報を頭の中で細部まで理解する力とかって書きます。
WMI(ワーキングメモリー指標)であれば、耳で聞いた情報をそのまま記憶する力とか、耳で聞いた情報を頭の中で整理して記憶する力とかです。
PSI(処理速度指標)であれば、作業スピード。
複合であれば、処理を伴う作業スピードとかって書きます。
記号探しであれば、処理を伴わない同時処理の作業スピードとか、 そんなふうに言い換えます。
同時処理とかも難しいのであれば、2つのことを一遍に作業する力とかもいいと思います。
とにかく、わかりやすい言葉で書いてあげましょうということです。
それが、所見の意味ではないのかなと思います。
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ここからが少し難しいですが、主訴に応じて、所見って書くべきなんです。
例えば、 お友達と遊ぶとトラブルばっかり起こすっていうのがお母さんの悩みなのに、お宅のお子さんは、学校の勉強についていくことは困難でしょう。
だから、きっと不登校になるでしょう。
みたいな所見はちょっと違うんじゃないかなって話です。
検査をなんでとるのかっていうと、今、何か悩みを抱えていたり、トラブルが起こりつつあるから、WISCってとるんだと思います。
つまり、その悩みとか問題、トラブル、何が原因なのかっていうのをWISCを通じて判明させて欲しいから、WISC取るんじゃないのかっていう話です。
所見書く際には、主訴っていうのは頭に置くべきだと思います。
だから、お友達関係で、もし問題がありそうなのであれば、問題があってWISCをとったのであれば、例えば、 VCIの中に理解という項目があります。
この理解は、対社会的な一般常識です。
なので、お友達関係が、もし問題が起こるようであれば対社会的な一般常識力の不足って書く場合と、ずれって書く場合があります。
ズレが原因かもしれませんみたいな書き方をします。
要は、不足って書くと、やっぱり過剰反応する方がいます。
例えば、みんなそうだと思うんですが、お宅のお子さん一般常識ないねって言われたら、やっぱちょっと傷つくし、カチンとくるじゃないですか。
いや、そんなことないと、一般常識あるよと。
だって悪いことはしない。
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人の気持ちに寄り添った言動ができるからそんなことないって言うかもしれません。
WISCってお母さんが知っている、その中でのその子の行動ではないんです。
どういうことかというと、例えば、お母さんとのやり取りであれば365日、例えば10歳であれば10年、要は3650日、お母さんと接する時間ってあるじゃないですか。
てことは、どんな子でも何をしたらお母さんが怒って、何をしたらお母さんが喜ぶのか、お母さんどうして欲しがってるのかっていうのは、やっぱりわかっているはずなんです。
そういったお母さんの気持ちに寄り添った言動って僕はできるとは思っています。
じゃあ、WISCで測ってる項目って何なのかっていうと、初めての場所、 初めての場面、初めて会う人、 初めてやることがもしあるのであれば、あったのであれば、そういったところでどこまで適正な行動を取れますか。これがWISCの本質です。
本当は知能だから、本当は少しずれるんですが、こういう認識の方が良いと思います。
だから、お母さんの知っている中での子供の様子を数値にしているわけではありませんということです。
だから、仮に子供がPRI(知覚推理指標)が低かったとします。
そしたら、場の空気を読む力が弱い可能性がある。
あくまで可能性です。
であれば、おたくのお子さん場の空気読めないですねって言ったら、 いや、そんなことはないとなります。
家庭の中で、家族といる中で、場を乱す言葉も言わないし、なんだったら気も使ってくれっていう風に答える方がいると思います。
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でも、初めて行った場所、初めて会う人の輪の中で空気読めますか。
それはちょっと苦手かもしれないってやっぱりなったりします。
それをWISCでは測っています。
そして、原因だけではなく、どうすれば良いのかというのも書いてください。
要はWISCって苦手なところはトレーニングで伸ばすことができます。
そして、苦手なところを得意なところでカバーしましょう。
その時その時の状況によって変わります。
カバーの仕方変わります。
伸ばし方は、具体的なトレーニングで、で、それを提示してあげてくださいということになります。
いかがでしょうか。
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発達障害ラボ
室長 車重徳