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115【発達障害】#1 覚えてもすぐに忘れてしまう

 

皆さん、こんにちは。

 

 

発達障害ラボの車重徳です。

 

 

 

こんな質問をいただきました。

 

 

うちの子は覚えてもすぐに忘れてしまいます

どうしたらいいんでしょうか。

 

 

 

今回は、このことについて

ご説明いたします。

 

 

 

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さて、覚えてもすぐに忘れてしまう子って

一体どういう事なんでしょうか。

 

 

 

 

記憶には

いくつか種類があります。

 

 

 

脳神経学というか

脳科学上の記憶の考え方と

いわゆる臨床心理学上の記憶の考え方って、

実は少し違うんですけれど、

 

発達障害ラボでは

・短期記憶

・長期記憶

という考え方をしています。

 

 

 

 

例えば

 

 

 

耳で聞いたことをスグに反復するといった

そういったことを短期記憶と呼び

 

または覚えた後、寝て、

数日経ってから

どれくらい覚えてられるか

ということを長期記憶と呼んでいます。

 

 

 

今回のご質問の背景を具体的にすると、

 

お母さんが

「これやって、これやって、これやんなさーい!」

 

みたいな形で子どもに伝えた際に、

 

多分その話した内容を子どもが

忘れてしまうんじゃないかなっ

ていう風に考えられます。

 

 

 

では、この場合、

何に問題があるかっていうと

多分、短期記憶に問題があります。

 

 

 

 

短期記憶とは

目で見た情報を記憶する、

視覚的短期記憶と

 

耳で聞いた情報を

そのまま記憶する

聴覚的短期記憶

 

という2つ分けられます。

 

 

 

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耳からの情報を記憶する際に

まずは、選択的注意という考え方も

必要になってきます。

 

 

 

選択的注意とは

世の中にある色々な音の中で

 

必要とする音だけを

聞き取る力になります。

 

 

 

 

例えば、

時計のカチカチカチカチという音とか、

冷蔵庫のモーターのブーンという音とか、

外を走っているの車のエンジン音など

 

世の中は色々な音であふれています。

 

 

 

その様々な音の中で

しっかり聴きとらなければいけない、

声を他の音と切り分けて聞き取ることができますか

ということです。

 

 

 

 

さて、話が少し逸れます。

 

 

 

皆さんはカクテルパーティー現象って、

聞いたことはありますか。

 

 

 

カクテルパーティー現象とは、

例えば、にぎわったパーティーなどで

色々な音がザワザワって耳に入ってきます。

 

 

 

その場合、目の前に人がいても

周囲の雑音が大きすぎて

目の前の人の声を聞き取ることができない状態です。

 

 

 

できる人は、

無意識的に周囲の雑音の音量を下げ、

目の前の人の声のボリュームを

上げることができるのです。

 

 

 

目の前の人の声だけをしっかり拾おうとする、

こういった能力って

実は人間に本来、備わっていたりするのです。

 

 

 

しかし、ASD(自閉症スペクトラム)の方とか、

PDD(広汎性発達障害)の方とか、

 

何か特性を抱えている方は

周りの雑音だけ下げる、

という脳機能が

少し弱いケースがあるんです。

 

 

 

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お母さんの指示に対して行動できないとか、

忘れちゃうっていうのは

 

まず、選択的注意として

耳にちゃんと情報が入ってるんですか

っていうのを確認する必要があります。

 

 

 

確認した後、

聴覚的選択的注意が弱いのであれば、

それを鍛える必要があります。

 

 

 

もしくは、耳からの情報が記憶として残らないので

目で見た記憶、

目で覚えさせるという方向性に切り替えなきゃいけないって

いうことも視野に入れる必要があります。

 

 

 

つまり、耳で聞いたら忘れちゃうけれど、

目で見たら覚えてられるっていう

可能性があるってことです。

 

 

 

 

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からの情報の方が

記憶として残るのか、

 

それともからの情報の方が

記憶として残るのかは

 

個々人によって異なります。

 

 

 

しかし、今回の目的は

耳で聞いて覚えることでも

目で見て覚えることでもないはずなんです。

 

 

 

では、何が目的なのか?

 

 

 

目的は行動させることじゃないですか。

 

 

 

 

行動させることが目的なので

その目的を達成するための

手段を選べばよいのです。

 

 

 

視覚からの情報の方が

記憶として残るのであれば

 

 

 

常に目に付くような形で、貼り出すとか、

または手に書くっていう人もいますよね。

 

 

 

昔は結構いましたよね。

大切なことを忘れないように手に書く人。

 

 

 

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ちなみに、大事なことを

手に書いたけど手を洗った瞬間、

全部消え去るみたいな人

 

 

昔は、結構いましたね。

 

 

 

お母さんがめんどくさくないのであれば、

常に必要なことを言い続ける

っていうのもあるんですが、

 

常に言い続けるっていうのは

言い続ける方もきついですよね。。。

 

 

 

 

同じことを何回も何回も言っていると

言っている方の親御さんが

途中でイライラしちゃいますよね。

 

 

 

 

「何回言えば気が済むの!」みたいな。

 

 

「もうこれで3回目なんですけど」、みたいな。

 

 

いつになったらやるのかしらとか、

それで子供がいつになったらやるのってきかれたから、

なんか2時間後とかって言うと、ぷちって切れて……

2時間後ってどういうことなの。

 

って激怒すると…

 

 

質問はいつになったらだから、

2時間後って答えはあっていますが

人の気持ちを汲み取ったうえでの回答ではないですよね?

 

っていうことになってしまいます。

 

 ★

 

 

 

まとめると

覚えてもすぐに忘れてしまう子っていうのは耳であれば耳からの短期記憶は低いし、

目で入れた情報であれば目からの短期記憶は弱いっていう事が考えられるんです。

 

 

だからどっちが弱いかわかれば、

目と耳は補完関係にあるので耳で聞いて忘れてしまうのであれば、

目で入れればいいし、目で見て忘れてしまうのであれば耳で入れればいいのです。

 

 

 

もっと言えば、常にその情報をいつでも引っ張り出せるようにしていくんであれば、

今よくあるLINEとかで送るっていうのも1つです。

 

 

 

あとは音声で録音させて常に聞くようにする、

聞かせるようにするっていうのも1つです。

 

スマホとかいいアイテムでましたよね!

 

 

 

何かあればすぐ録音するという癖をつける。

 

あとはちょっと難易度高いですが、メモを取らせるっていうやり方もあるんです。

 

 

 ★

 

 

なので目的はあくまで行動させることなわけですから、

行動するためにどうしたらいいかっていうのをちょっと考えてみていただければと思います。

 

 

併せて、聴覚の短期記憶が弱いとか視覚の短期記憶が弱いとかっていうのがもしあれば、

トレーニングで改善することができます。

 

そのトレーニングの仕方っていうのは、また後日お伝えしていきたいと思います。

 

 

 

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発達障害ラボ

車 重徳