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119 【WISC4】#5 すぐにぶつかります

皆さん、こんにちは。

 

発達心理サポートセンターの心理士/カウンセラーの車重徳です。

 

今回は、こんな質問を頂きました。

 

 

 

うちの子は何かにすぐぶつかります。どういう事なんでしょうか?

 

というものです。

 

今回は、この質問にお応えいたします。

 

 

 

 

理由はいくつかあります。

 

1つ目は、目で情報をちゃんと捉えられていますか?

という事です。

 

人間は視界に入っているもの=見えている

ではないです。

 

要は視界に入っていても、それをそれとして認識しないと見えていることには

ならないのです。

 

 

例えば、家に帰りました。

家に帰って、廊下や部屋に大きなごみが落ちているとします。

子供たちは普通にTV見てゲラゲラ笑っている。

お母さんは

「ちょっと、なんでこんなところにゴミ落ちているの。片づけなさい。誰のなの?」

子供たちは

「そんなの知らない。落とした記憶もないし、そんなの見てないよ。お母さんが

今落としたんじゃん。」

 

お母さん「なんで私が今落として、そんなこと言うわけないじゃない。」

 

これは子供たちが実際、落としたか落としていないかは関係なく、

そのごみをそれとして視界に入っていても認識していないんです。

 

 

 

 

 

こういう例は職場でもあると思います。

例えば、みんなに見てほしいから絶対目に付くであろうところにAttention

張り紙をしました。でも、読んでない人っていますよね?

 

張り紙があることすら気づいていない人っていませんか?

 

しっかり読む人もいれば、「なんか貼ってあったな~」の人もいれば「どこにそんな張り紙あったの?」という方もいるんです。

 

そのため、視界に入っているもの=見えているわけではないのです。

 

こういったことは選択的注意と呼ぶこともできます。

視覚的認識力と呼んだりもします。

 

まずは目で見ている情報はしっかり認識できているのかっていう事を

まずは考えなければいけません。

 

目で見たものを認識していくというトレーニングもあるので、そういうトレーニングをしてみるのもいいかと思います。

 

 

 

 

2つ目は、空間認識です。

 

例えば、空間認識力が低いと、障害物があったときに障害物の距離がつかめません。

 

距離がつかめないので、自分はかわせたと思っていても、実はかわせていないということが

あります。

 

ADHDの注意欠陥とは別です。

 

他の例を挙げると、PRI(知覚推理指標)空間認識力が低いと自分の体の幅もわからない。

幅が分からなくて、どう考えてもあなたは入れないよね?って

いうような狭い場所に入ってしまったりするのです。

 

私が直接見た例だと、自分の体が出ていないのにドアを閉めてしまい、自分の体がドアに挟まる。というような例もありました。

 

 

PRI(知覚推理指標)低いとか空間認識ないのかな?

っていう事も考えられます。

 

 

 

 

3つ目は感覚統合の観点から考えます。

 

体を動かす=重心がずれます

 

重心がずれると体幹が整っていないと、姿勢が崩れる可能性があります。

これによってぶつかるというケースがあります。

 

そのため、いくつか理由は考えられます。

 

まずはこれらのどれに課題がありそうなのかチェックしておく可能性はあります。

 

1つ目でお伝えしたように、もし目で見た情報を捉えることが苦手なようであれば、

選択的注意といって、目で見た情報をとらえていくトレーニングをするのがいいと思います。

 

 

 

 

どんなトレーニングがあるのかというと、簡単に言うと

 

例えば“ウォーリーを探せ“です。

 

たくさんあるものの中から、ウォーリーを1つ探すゲームです。

こういう視界に入っているものを意識的に認識していくというものです。

 

同じパターンで言えば、海外で生まれた“ミッケ”というのもあります。

 

日本だと昔流行った“ひょっこりはん”とかも面白いかと思います。

 

少しずれますが“点つなぎ”です。

これもたくさんある点の中から1探し、2探しっていしていきますよね?

 

これらのように目で見た情報を捉えるということは有用です。

 

では、空間認識を育てるトレーニングは何があるかというと、ある程度DIYとかが

できるのであれば、プラモデルもいいです。

ただ、空間認識が低い方が急にプラモデルは難しいので、積み木、レゴ、LaQ、ミニブロック、ピタゴラスイッチみたいなのもおすすめです。

 

 

そういったのを使っていきPRI(知覚推理指標)自体を育てることができれば、いいのではないかと思います。

 

そして体幹を鍛えるのであれば、体幹トレーニングっていう事をやるのですが、色んなやり方があります。

 

1つは“バランスボール”です。

バランスボールは体幹整えることができるし、感覚統合にも役立ちます。

 

もう1つは“けん玉”です。

“けん玉”は空間認識と感覚統合、体幹すべて鍛えることができます。

例えば、今にも倒れそうな姿勢で“けん玉”できますか?という話です。

 

できません。

姿勢を正し、重心落とし膝のクッションを多少柔らかくしないと“けん玉”って無理です。。。

 

Y字バランスの姿勢で、けん玉なんて難易度高すぎるんです。

 

こんな感じでいくつかやり方があるので、まずはどういう状況なのか、

目で見た情報を捉えることができるのか、空間認識ありそうなのかっていうのを

確認してみてください。

 

 

どれも判断つかないのであれば、、、全部やりましょう!!!

 

「全部なんて大変すぎる~。」

という方いると思います。

 

 

 

 

でも、大ケガしてからでは遅いです。

 

自分がケガするならまだしも、誰かをケガさせてしまうかもしれません。

それであれば、事前にできることがあるのなら、やってみるほうがいいんじゃないかなと

私は考えます。

 

当然、嫌々やっても定着はしないので楽しみながらやれる内容を探さなければいけません。

 

そして、小学校高学年や中学生になると、親の言う事中々聞かないかと思います。

親の言う事聞いてやれるのは、小学校3,4年生くらいまでです。

それから先は人によりますが、ほぼほぼやらないので、長い期間やらせるわけでもないです。

いう事聞くうちにやれることをやらせてもいいんじゃないかなと思います。

 

いかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 発達心理サポートセンター

心理士/カウンセラー 車重徳

 

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