
第202回 ウチの子は発達障害です。将来が心配でなりません
皆さん、こんにちは。
発達心理サポートセンターの心理士/カウンセラーの車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「わが子は発達障害です。 子どものことが心配でなりません。 どうしたら良いのでしょうか?」
というものです。
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さて、わが子が心配ということですが、みんなそうなのかもしれませんし、そうじゃない方もいるのかもしれません。
発達障害を抱えていれば、みなさん考えることは、
「この先この子は一人でやっていけるのか。」
「一人で生きていけるのか。」
「生きていくためにはお金を稼がなければいけないが、お金を稼ぐことができるのか。」などと、ご心配の方も多いと思います。
私が知っている中で、「うちの子は障害が重く一人では生きていけないだろう。」「そして、働くことができないだろう。」と思って、「子どもに何か残していけないか。」と考えた方がいます。
そこで、アパートを一棟まるっと購入した方がいました。
そこから家賃収入を得て、子どもが食べていくことができたらいいんじゃないかと考えて行動されたご家庭がありました。
一番すごいのは家賃収入ですね。
そして、お母さんが仕事を辞めて、「管理会社に任せず、私が日中アパートの掃除やゴミの処理をしたり草刈りをしているので大変です。」と言っていました。
もし家賃が5万円として4世帯入れば月に20万円。6世帯で30万円です。
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まず、子どものやれることを増やすというのが一つ。
それから、絶対に自己肯定感を上げないとだめです。
発達障害の有無や重さは分からないけれど、自己肯定感は上げるに越したことはありません。
要は、学校で勉強したこととこの先社会で経験していくことは違いますよね。
それは、学校で勉強したことが役に立たないということではありません。
学校の勉強は知能を上げるために大事です。
よく、「社会に出たら方程式を使わないから勉強しなくていい。」「海外に行かないから英語は必要ない。」と聞きますが、そうではないんです。知能を上げることが大事なんです。
そして、知能を上げるために言語能力を上げる・一般常識を上げるんです。
算数的・数学的なものの思考というのは、知覚推理指標(PRI)を上げるんです。
そこが必要なんです。
だから、知能を上げるために学校でしっかり勉強にとりくむことは大事です。
とは言え、不安はぬぐえないと思います。しかし、不安になっても仕方ありません。
よくあるのが、親が子どもの手を引っぱってどんどん先に進もうとしてしまう。
子どもが転んだらすぐに駆け寄って立ち直らせてあげる。
というようなことをやっている親もいます。
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気持ちはわかりますけれど、例えば「親」という漢字を思い浮かべてください。
木の上に立って子どもを見守る存在ということで、この漢字は生まれているんです。
だから、子どもの側にいて手を引っぱるのが親ではないんです。
常に子どもの後ろにいて子どもを押し続けるのも親ではないんです。
子どもが前に進める状況になったら、一歩離れた場所・高い所から俯瞰して子どもの方向性を見守ってあげるんです。
これが、親の役割なんです。
全然前に進めないんだったら、進めるように励ます。
コーチングやサポート・押すことが必要になるかもしれません。しかし、これは親の役目ではありません。誰か他の人にバトンタッチしなければいけません。
親がやるべきことは、最終的には、子どもだけではなくその状況も含めて俯瞰して見守るということです。
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ただ、にっちもさっちもいかないような状況になったら、見守るだけではなくて近づいて助けることも必要になるかもしれません。
しかし理想は、その子が誰のどんな力を借りたら救われるのか助けられるのかという環境調整してあげるのが親の仕事です。
30歳になっても40歳になっても何もかも親に頼りきりの子はどうですか。
そうではなく、何か困ったことがあったら最終的には親に頼らずに、誰に頼ればいいのかを自分で見つけ出す。
または、その人に助けてもらいながら困難な局面を乗り越えていくというスキルを身に着けていくことが大切です。
前に進めていない子どもの状況なら仕方ありませんが、そうでないならば木の上に立って見守ることが大切だと思います。
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いかがでしょうか。
発達心理サポートセンター
心理士/カウンセラー 車重徳