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141【就労】#213 就労移行支援とA型やB型の違いは何でしょうか

皆さん、こんにちは。

 

発達心理サポートセンターの心理士/カウンセラーの車重徳です。

 

さて、こんな質問を頂きました。

「就労移行支援とかA型とかB型とかの違いがわかりません。教えてください」

 

というものです。

 

 

 

 

さて、これは迷う方が多いです。難しいですね。

まず就労系で言えば、3つに分類されます。

 

一つ目は就労移行支援、次に就労継続支援A型、そして最後に就労継続支援B型という3つに分類されます。

まずは移行支援と継続支援に分かれてから、継続支援がAとBに分かれます。

 

 

 

 

就労移行支援というのは、所謂高校、特別支援学校高等部(特別支援学校は正式には高校ではありません)を卒業した後、二年間の就労移行支援としてトレーニングをします。

 

トレーニング後は一般企業(特例子会社を含む)に障がい者雇用枠として就職します。

 

障がい者雇用枠として就職するなら手帳が必要です。

手帳には三種類あります。①身体障害者手帳、②精神障がい者福祉手帳(精神疾患を持っている方)、③療育手帳(発達障がい等)の三種類です。

その手帳を使って就職します。手帳を使わずに就職することもあります。

 

就労移行支援に通える期間は、最長2年間です。費用は掛かりません。

最長2年以降、延長申請が通ればさらに一年通うことも出来ますが、普通に通っていて延長申請が通ることはありません。以上が就労移行支援です。

 

 

 

 

そして次に、就労継続支援のA型、B型です。

こちらは何年間という期間の制限はありません。

 

ですので所属しようと思えば続けて所属することが出来ます。

A型というのは企業側やその事業所の社員に近い雇用となります。

つまり、雇用契約を結んだ社員に近い形の雇用で収益活動をするというものになりますので、売り上げは上げなければいけません。

 

また、就労移行支援Aは法律が変わって、平均工賃(賃金)はその自治体の最低賃金と同じ額をもらえるようにしなければいけないというものがあります。

 

東京都は最低賃金1000円超えているので、企業側は最低時給1000円支払わなければいけません。またこちらは例えば何かを売る、作るといった何かしらかの収益活動をしなければいけません。

そういった収益活動は必ずしなければいけないということになります。

 

月給はどのくらいでしょうか?

最低賃金でしたらある程度はもらえると考える方もいますが、10万円前後です。

 

事業所や企業によってお給料は違いますよね?

なので、就労継続支援A型も事業所や企業によってもらえる工賃(賃金)が変わります。

 

月に10万円程はもらえるのかなと思います。

例えば時給1000円と仮定すると8時間働いて8000円、週5日勤務すると8000円×5日=40000円。月に4週勤務すると考えると、40000円×4週=1か月16万円程の計算になりますが、実際はその額まではもらえていないようです。

何故かと言うと勤務時間が少し短いからです。

 

午前中だけというところもあります。勤務時間が短いのでその額まではいきません。

 

長く働きたいと希望される方がいますが、そこはその事業所や企業との折り合いをつけてという形になります。

しかし、障がいがある方が働ける場所なので、対応方法を承知していたりや必要な配慮がなされています。

 

実はそこが難しい点でもあります。

 

平均工賃(賃金)や時給で働けるくらいの能力は持っているけれども、障害は持っている。

世の中の障がいの受け入れが難しいのかと考えてしますが、新型コロナウィルス感染症の影響で、弱いところから切られていき、障がい者雇用も進んでいないのが現状のようです。

 

今後に期待したいですね。

 

 

 

 

一方就労継続支援B型は、以前で言うところの授産施設や作業所の流れを汲んでいます。

 

今でも作業所のようなものがありますが、申請をしていないので「ようなもの」となります。

基本的には授産施設や作業所の流れを汲んでいると捉えて下さい。

 

そこでは、ほぼ毎日勤務してもらえる工賃(最低賃金を下回るので「給料」と呼んではいけません)が、昔は1か月1万5000円程でした。日給ではありません。

月給です。1万5000円です。今は1万6000円程でしょうか、1万60007000円弱程に上がっています。

 

毎日勤務しても1万7000円です。

 

それが就労継続支援B型です。

 

それでも定員の枠がなく、定年もないのでずっと勤務することが可能です。

事業所によっては重度の障がいを持っている方もいます。

 

人気のあるところは空いていません。

人気のないところは定員まで余裕があったりもしますが退職してしまう何かしらの理由があります。

 

工賃安い、他にも重度の障がいを持っている方が多く作業内容が合わないということも考えられると思います。

 

 

 

 

基本的にはこの3種類となります。

この3種類の支援も難しい方は「地活」と言って、地域生活支援にを受ける、または自立支援等のサービスを利用していく、という選択肢もあります。

 

中には、自立支援と就労移行支援を合わせて4年間かける方もいらっしゃると思います。

その辺りの制度設計等は口頭だけでは難しいので、ご興味ある方がいらっしゃったら今後研修していきたいと思います。

 

まとめると就労移行支援はトレーニングした後、一般の会社への就労、または特例子会社への就労が出来るようなスキルをに付けるために通って、就職する会社も見つけてもらう。

就労継続支援のA型、B型というのはその勤務先にて自分で収益活動をします。

工賃だけで見るとA型が月に10万円前後、B型が月に1万6000円~7000円程度となります。

 

就労継続支援A型で勤務出来るくらいになれば月10万円として、家賃3万円程でしたらぎりぎり暮らせるかもしれませんが生活は苦しいかもしれませんね。

 

 

いかがでしょうか。

 

 

 

 

発達心理サポートセンター 

心理士/カウンセラー 車重徳

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