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146 【勉強】#220 子どもの内面が乏しいと感じます。質問が短絡的。

皆さん、こんにちは。

 

発達心理サポートセンターの心理士/カウンセラーの車重徳です。

 

さて、こんな質問を頂きました。

 

「診断を受けていない10歳普通級の子どもがいます。

子どもの内面が乏しいと感じます。質問が短絡的だと感じます。

 

軽く自閉症傾向とADHD傾向があるのではと思っているのですが、自動的に情報が入っていかないのかなと。

例えば何かあった時、それって金持ち?貧乏?とか聞いてみたり、決して2択ではないはず。それって良いの?悪いの?とか、あとはパパと芦田愛菜ちゃんってどっちの頭がいいのとか聞かれる。

 

頭の良さというのはそれぞれ違うから簡単に比較はできないと答えました。

もしくは、ウクライナの戦争を見て日本は絶対に安全なのか?とか、日本は島国なので陸路で攻撃は受けにくいけどミサイルなど飛んで来るし、テロというのはこちらが悪くなくても?とても短絡的で答えても理解できていると思えません。

 

どうやって対応すればいいですか。」

 

というものです。

 

 

 

 

親御さんは、大人のカタチで育てたいのでしょうか。

結論を言うと、子どもをどう育てたいのかです。

 

お子さんに2元論で考えるのではなく、本質を理解して欲しいのでしょうか。

一般的に、10歳であればまだ多面的に物事を捉えることができません。

また、知能や本人の特性によっても変わります。

 

10歳あるいはそれ以前から取り組んで欲しいならば、教え続けるしかないと思います。

発達心理学では、物事を多面的に捉えられることができるのは10歳よりも上の年齢になります。

 

今の段階からさまざまな可能性がある事を教えたいのであれば、何度も説明し続けるしかありません。

何度も言い聞かせて取り組むことの実践、または優秀な子であれば1回言えば全て理解できるかもしれません。

 

つまり、1回伝えて全部理解させたいのであればそのような教育方針を行うことです。

 

 

 

 

また、お子さんが「良い」「悪い」と聞いてきたら、「良い」「悪い」以外に“普通”という答えを設けるということも一つと考えます。

 

例えば、金持ちなのとか貧乏なのと聞かれたら全部普通と言う。

 

頭がいいのはどちらかと言われたら芦田愛菜ちゃんと言う。

日本は戦争が起こらないのと言われたら起こる可能性があると言う。

 

例外はいらないと思います。

 

最初はABかで聞かれたらABCくらいまでは言ってもいいのではないでしょうか。

「こうだけど“この可能性もあるよ”」というのは、知能もしくは認知発達的に成熟した後だと考えます。つまり「この場合あるよ」というのは、もっと大人になってからでPRI(知覚推理指標)が発達してからになります。

 

このような思考は小学生6年生もしくは中学生になって少しずつできるようになってきます。

以上のように、幼い子どもであれば、その考え方自体まだ早いのです。

 

そのため、2元論的に「良い」「悪い」の両極だったら中間の“普通”というのを言い続けることもあって良いと思います。

 

お金持ちとか貧乏とか、また「日本はどうなの」と言われたら普通と返答する。

 

結果的には、子どもは「この場合ある」「この場合ある」とそんな答えを求めてはいないのではないのでしょうか。

日本は戦争が起こらないのと言われたら危険と答えます。

 

だからこれに備えておきましょうっていう形をとる。

 

安心を子どもが求めているのであれば安心だよって言います。

 

お金持ちかどうかと言われて自分が貧乏と感じて劣等感抱くのであれば、お金の問題はほぼ貧乏だと言います。

きりがないですよね。わたしは“なんでも買ってもらえるか”というとそうでないは思っていますし、子どもをダメにする一番簡単な方法は、いつもなんでも欲しい物をその子どもに与えることだと言われています。そのため、逆にお金持ちじゃないと言うのはてっとり早いと思います。

 

 

 

 

つまり親御さんも優秀で、お子さんももしかしたら優秀なのかもしれない、そして多面的な本質を知りたいというのであれば伝えるべきですが、おそらく、このような質問をしてくるのはそれを求めていると推測します。

 

そのため2元論的に安心を求めたいのであればその安心に該当するような答えをしてあげる。

 

そうでないため、その時に「さっき言ったでしょ」ということを子どもが2回も3回も繰り返し聞いてくるのではないでしょうか。それは当然だと思います。

 

同じことを23回も聞いてくるってことはやはり子どもは不安だからで、そのため答えに納得がいってないから、もしくは忘れてしまったからでしょう。

 

どちらにしても毎回同じトーンで「大丈夫だよ」「平気だよ」というふうに言ってあげてあげる。その答えがAだったりBだったりCだったりすると混乱するので「大丈夫だよ」と言ってあげたりする。

 

ただ“早い段階で天才児に育てる”、“本質を育てたい”のであれば一つ一つ細かく丁寧に「この場合もあって」「この場合もあって」「この場合もあるんだよ」とか「善と悪だけじゃないんだよ」とか「戦争ってなんだろな戦争の話し合いは平和じゃないし」、戦争の反対は話し合いですけれど、「そもそも話し合いでは解決できないこともあるんだよ」など伝たいことを伝えればいいと思います。

 

私はその子の親にはなれないので結局、親御さんがどう育てたいかが一番だと思います。

 

個人的な見解としては、その子が何の答えを欲しているのか2元論的な答えを欲しているのであれば2元論だけで、答えられないのであれば3つ目の「普通」を持ってきてどっちでもないというカタチを取ります。そして理由は聞いてきたら答えます。

 

 

 

いかがでしょうか。

 

 

 

 

発達心理サポートセンター 

心理士/カウンセラー 車重徳

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