
皆さん、こんにちは。
発達心理サポートセンターの心理士/カウンセラーの車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「病院に行ったらADHDの診断が出ました。うちの子はどうすればよいのでしょうか?」
というものです。
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まず、ADHDって何型で診断が出たのかが大切です。
不注意が強いのか、多動が強いのか、または衝動性が強いのか。薬が出るケースもあると思います。
例えばインチュニブ、抑肝散、コンサータ、またはストラテラ等です。抑肝散は漢方です。
このような薬は、一生飲み続ける薬ではないのです。
例えば10歳で飲み始めて、90歳まで80年間飲み続けるかというとそうではありません。
では、行動を改善するためにどうしたらいいのでしょうか。
もし、薬を飲んだことで落ち着くのであれば、その間にソーシャルスキルトレーニング、要は「どのような行動を取ればいいのか」というソーシャルスキルを身に着けることが大切になります。
いわゆるSSTといわれるもので、これを身に着けていきます。
薬を飲む必要がなかったり、飲まない選択をしたとしてもSSTは必要です。
そのときに、不注意なのか、多動なのか、衝動性なのかによってSSTの進め方が変わります。
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不注意であれば、どういう状況下でどういった不注意を起こしてしまうのかが重要になります。そこをしっかり判断したうえで、その不注意が起こらないように対策を考えます。
例えば、忘れ物が多いのであれば、いつ準備をしているのか―当日の朝なのか、前日の夜なのか。どういう忘れ物が多いのか―教科書なのか、特別な持ち物なのか。
では、どこに書いてあれば大丈夫なのかということを1つずつ確認していく必要があります。
多動の場合、例えば、じっとしていなければいけないタイミングでじっとしていられないのであれば、じっとしていないといけない時間帯はいつなのか、そして動いていい時間はいつなのかを確認します。
必ず静と動があって、動くタイミング、止まるタイミングがあります。それはどこなのかということを把握したうえで、どうしてもじっとしていなければならないタイミングに動かないようにするためには、その前の動いていいタイミングに動いておくということです。
静と動のコントロールをこちらで支配するという感じです。
衝動性というのは一番コントロールしにくいものです。
要は無意識下で起こるので、ほかのものもすべて無意識下だったりしますが、衝動性は治りにくいです。衝動性もどんなタイミングでどんな衝動性が起こるのかということを確認した上で、基本的にはその衝動性が起こるタイミングに席を外すのか、一呼吸おくのか、どういうアクションが加わればその衝動性を発揮せずにすむのかということを考えます。
ですから、無意識下まで落とし込めるようにSSTをやらなければなりません。
すべてに対して、ここが鍵となります。まずは意識下で行動するのですが、意識下を繰り返していくと、無意識下に落とし込めるようになります。
例えば、夜眠る前には歯を磨きます。かなり寝ぼけ眼だったとしても、歯ブラシ口の中に入れたら歯ブラシを持って動かしますよね。
子どもの頃など、歯ブラシをくわえたまま寝てしまうことがあると思いますが、まだ歯ブラシを持って動かすことが身に付いていないか、眠気が強すぎてしまったということです。
たいていの場合、歯ブラシを口に入れたら持って動かしますよね、といった感じです。
意識下の行動を無意識下に落とし込むということをやっていく必要があると思います。
いかがでしょうか。
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発達心理サポートセンター
心理士/カウンセラー 車重徳