皆さん、こんにちは。
発達心理サポートセンターの心理士/カウンセラーの車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「WISC4のVCIって何ですか?」
というものです。
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VCIはWISC4検査を受けた方はお分かりだと思いますが、そもそもWISCには指標得点が4つありまして、VCI(言語理解指標)、PRI(知覚推理指標)、WMI(ワーキングメモリー)、PSI(処理速度指標)という4つがあります。
そのうちのVCI(言語理解指標)っていうのはさらに、3つの検査から構成されていて、まずは単語。
いわゆる単語力、語彙力があるかどうかです。
そしてもう一個が類似という検査があります。
これは言葉の抽象的な概念の認識、把握なんです。
わかりやすく言うと、指示代名詞とか暗喩、隠喩とかです。これが類似に当たります。
そして、理解。これは一般常識です。対社会的な一般常識に近いと思ってください。
これを構成しているのがVCI(言語理解指標)です。
大雑把にVCIだけ考えると、言葉を言葉として認識してアウトプットできますかというのがVCIなんです。そんなこというと、“言葉は言葉ですから”と“言語は言語ですから
“みたいなことを言われるケースがあります。
でも、言語が言語として認識されないケースがあるんです。
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例えばどういうことかというと、では、皆さんにお願いがあります。
今からいう言葉を想像してみてください。
「“たそがれ”を想像してください。」
想像できましたか?
“たそがれ”という漢字が頭に浮かんだ方いますか。通常漢字が浮かぶ方は何人かいます。
では、たそがれというひらがなが浮かんだ方いますか。これも何人かいます。
では、たそがれというカタカナが浮かぶ方いますか。カタカナは大体いません。
っていうように、すなわち私はたそがれを想像してくださいって言いましたが、人によって漢字が頭に浮かぶ方もいれば、ひらがなが浮かぶ方もいますし、カタカナはあまりいませんが、一番多いのはたそがれの状況、景色が浮かぶ人がいます。
要は、夕日が沈んでオレンジ色の空がぶわっと広がってカラスが鳴いていますか、お母さんと子供が手をつないで家路に急ぐみたいな、影が長く伸びてみたいな。
そういった状況を思い浮かべる方って多いと思います。っていうように、私はたそがれを想像してくださいとしか言ってないんです。でも、人によって、漢字が浮かぶ方、ひらがなが浮かぶ方、映像が浮かぶ方がいるんです。これが文字を文字として、言語を言語として、認識しているかどうかになるんです。
VCI(言語理解指標)が強い人は、言葉で頭の中を処理していった方が、早い傾向があります。というようなことになります。
こんな感じでVCI(言語理解指標)っていうのは、言語を言語として、認識したうえでアウトプットできますかっていうようなことになります。
いかがでしょうか。
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発達心理サポートセンター
心理士/カウンセラー 車重徳