皆さん、こんにちは。
発達心理サポートセンターの心理士/カウンセラーの車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「うちの子は物の扱いが非常に乱暴です。プリントの答えを消す時も消しゴムで軽く消せばいいのに一生懸命消すので紙を破いてしまいます。どうすればよいのでしょうか?」
というものです。
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これは感覚統合的な考えです。
物の扱いが、乱暴というか力加減ができないという事ですね。
これはどういう風に考えるのかというと、感覚統合で考えるんです。
感覚統合の固有覚という力加減に関係するところが発達していないというところになります。
具体的にどうするのかというと、感覚統合のトレーニング入れましょうという事です。
不器用も当てはまります。
不器用というのも感覚統合の考え方なんです。
そのため、不器用は直せます。
早ければ早い方がいいですが、仮に年月が経っていたとしても、年齢重ねていたとしても不器用は直せるんです。
なので、感覚統合の考え方を身に着けていただけたらいいのかなと思います。
どの感覚を鍛えていくのかというのは、状況によって変わります。
今回の場合だと、プリントの間違えたところを消しゴムで消すということを、そもそも消すって日常生活の中で親指と人差し指、中指くらいも使ってこするって行動は、日常であんまりないかと思います。
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昔だと、スクラッチカードとかで10円玉や1円玉もって銀色のところ削ったりとかありましたよね?
あれ以外に、同じ行動、同じ動作をとることってありますかという事です。
あまりないかと思います。
握る時に親指と人差し指、中指に力を入れて持つのですが、そんなに強く持つ必要もないし、もっと言えば腕を使って紙に押し付けるほど筋肉を使わないです。
どこまで筋肉を使って消すのかというのも中々説明しにくいかと思います。
簡単に言えば、1つ1つの筋肉を鍛えていきましょうという事にもなるんです。
例えば、指先を鍛えるのにどうするか、強く握ったりとか、指先の感覚を鍛えるためにどうするのかというと一例があります。
デコピンとか、ああいったのって力強く指ではじきますよね?
あれも指先の力になります。
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僕がいつもやっていたのはおはじきです。
おはじきを指ではじくときに、力任せではじいてしまったら自分のおはじきも相手のおはじきもぶっ飛んで行ってしまいますよね。
では、どうするのかというと相手のおはじきが落ちるけれど、自分のおはじきは落ちない微妙な力加減でやるんです。
それを指先でまずは体感してもらいます。
その時に、人差し指ではじく、中指ではじく、薬指ではじく、小指ではじくとか色んな指で試していく。
もしくは、右利きであれば左で試すといいった反対の手でもやってみるのも1つのトレーニングの方法になります。
あとは、指先で強く持つと壊れてしまうような、優しく持たなければいけない柔らかいものなどを指先で持ったりします。
または、親指と人差し指で何かを引っ張ったり、回したり、親指と中指で引っ張ったり、回したりっていうようなことも力がすごく必要なものからそうでないものまで、様々なものを5本の指を1つづつ力加減コントロールできるようにするんです。
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そのため、僕がやっていたのは小さい玉、ビービー弾みたいな玉とかビー玉とかを穴の中に入れるといったのを親指と人差し指で持ったり、親指と中指で持ったり、親指と薬指で持ったり、親指と小指で持ったりといったように色んな指で持たせて1つづつ指先の確認というのをしていました。
後は、強く持つと壊れちゃうような細いもの、シャーペンの芯とかを使って指先の力のコントロールをやったりしました。
他には、コンパスです。
コンパスって不思議じゃないですか?
針の方は動かさないで、ちょっと力を入れて固定しますが鉛筆の方は親指と人差し指で持ってくるんと回しますよね。あれはくるんと回す時に鉛筆のほうが浮いちゃうとそもそも円はできないんです。この行動も日常で中々ないんです。
だから、コンパス使うのが下手な子、苦手な子が出てくるんです。
日常にない行動はやはり定着させるのに時間がかかるんです。
消しゴムもその1つでカドケシみたいなのもとてもよくて、このマスだけ消しましょうとかこの点だけ上手に消しましょうとかっていうのを遊び感覚で行うトレーニングっていうのをやってもいいんじゃないかなと思います。
消しゴムは消しゴムだけのトレーニングをするというのも1つです。
だから、指先1つづつ鍛えたりや、腕も使って鍛えたりも必要です。
そして、消しゴムだけを使ったトレーニングもやるのはいかがでしょうかと思います。
いかがでしょうか。
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発達心理サポートセンター
心理士/カウンセラー 車重徳