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287【勉強】#159 うちの子は長文読解が苦手です。どうしたら良いのでしょうか。

皆さん、こんにちは。

 

発達障害ラボ室長の車重徳です。

 

さて、こんな質問を頂きました。

うちの子は、長文読解が苦手です。どうすれば良いのでしょうか。

 

というものです。       

 

 

 

 

子供の問題行動とか、気になる行動があった時の考え方として、覚えておいていただきたいのが、要素分解っていうのがあります。

福祉の業界で、要素分解って使うの僕ぐらいです。

細分化なんて言ってもいいのかなと思います。

 
例えば、こういったご質問であれば、長文読解に対して、要素分解をかけていきます。

どのように要素分解かけていくのかっていうと、長文読解をする際に、どういった能力が必要なのかっていうのを、11つ細かく分けていきます。

長文読解はWISC4検査でいう、VCIの中の単語です。

単語がないと、当たり前ですが、単語の意味がわからないから長文が読めませんよっていうことになります。

じゃあ単語力はありますかって話です。

WISCは取らなくてもわかるとは思います。

11つ、この単語意味何?って聞いていけばいいと思います。

 

単語力ありますかっていう問題だから、難しい単語です。

例えば、大人でも、六法全書を急に読めって言われたって、何言ってるか意味わかんないよってなると思います。

それは子供でも一緒なんです。

なので、まず、単語力ありますかっていうところを見ていきます。

 

 

 

 

そして次、 VCIの類似というものもあります。

これは、指示代名詞とか暗喩隠喩がありますかっていう話になります。

このね、指示代名詞や暗喩隠喩が低いのであれば、そこが原因で、何言ってんのかわからない。

「それが、この時こうした」って書いてあった時に、それって何っていうのがわからないんです。
だから、11つ、その指示代名詞とかをしっかりね、解き明かしていかないと、多分読めるようにはならないんではないのかなっていう話です。

 

次は、一般常識ありますかって話です。

だから、例えば、思春期の女の子の恋心のきびなんて、なんなんでしょう。
先輩と目が合った。

きゅんみたいな。

そういった恋心とかって、小学校低学年の男子がわかるかっていうと、多分わからないはずなんですね。

なんだ、きゅんって。

「意味がわかんねえぞ」って、なると思います。

だから、そういった一般常識があるかどうかによって、文章の理解度って変わります。

 

じゃあ、その一般常識はあるのかどうか。

これも、本人に聞けばわかるところもありますが、WISC4検査でいうと、VCIの理解という項目に当てはまり、 VCIの理解は対社会的な一般常識に当てはまるということです。

そして、次に出てくるのが、知能とは関係ないんですが、文法です。
副詞ってどういう意味なのか。
文の構造がわかっているのか。文の構造をね、
この文法と文の構造だけは、知能は関係ないです。

 

 

 

 

あとは、 行間が読めますかっていうのも関係してきます。

行間って何かって言うと、文章と文章の間に、実際文字として書かれてはいないけれど、作者の言いたいことみたいな、作者の意図です。

これは一般常識で、VCIの理解とPRIの知覚推理も必要です、

この2つを兼ね備えていないと業界読めません。
そしてまだあります。

 

次は、文で読んだ内容をイメージできますかっていう話です。

例えば、青い空、 白い雲、ほと走る波しぶき、熱々の砂浜。

そういった部分を見た時に何思い浮かびますか。

海って思い浮かんでますかって話です。

 

海という言葉は出てこなかったとしても、 状況的にこれ海じゃないっていうのが想像できますか。

想像できないと、地面をただ目で追ってるだけになります。

だから、地面を目でただ追ってても、仮に音読はできたとしても、意味は全く入ってないっていう理由はこれです。
地面を目で追っているだけっていうことなんですね。


だからやっぱり、その本を読んだら、その状況、状景って頭の中に思い浮かべられないときついです。

じゃないと本当の本の面白さってわからないよねって話になるんです。

その状況を思い浮かべる力はPRIです。

 

 

 


そして、最後にWMI(ワーキングメモリー)ありますかって話です。
そうすると、「ワーキングメモリーって聴覚の短期記憶だから関係あるんですか」なんていう人もいるんですが、聴覚だけに関わらないんです。

要は、頭の中で思い浮かべた内容等の短期記憶もWMIになります。
だから、WMIってぶっちゃけ全般的な、短期記憶っていう考え方があります。

 

じゃあ、なぜ長文読解に短期記憶必要なのかっていうと、 長文読解って、前の段落に書いてある内容を脳の一部に記憶として保持して、次の段落に進むんですね。
だからワーキングメモリーが低いと、前の段落に書いてある内容全部忘れちゃうんです。

忘れちゃったら何のこっちゃで、物語進む。

要は前段階で何があったのかわかんないまま物語進むから、 前提条件も崩れていて、「なんだかよくわかんない、面白くない」みたいな話になっていくんです。
推理小説とか、思い浮かべていただければわかるんですが、いろんな伏線があって、最後、その線が複雑に絡み合って、犯人が捕まる。

 

その時にいろんな伏線片っ端から全部忘れてっちゃったら何のこっちゃで、犯人捕まるから面白いなんて思わないですよねって話です。
だからWMI低くても長文読会苦手になるよっていうお話です。

 

 

 

 

まずこの何が苦手なんですかっていうのを見極める必要があります。

長文読解苦手な子は、文法とか文の構造であれば教えられるんですが、そうじゃない子の場合は、トレーニングが必要だったりするケースもあります。

なので、トレーニングもしつつ、長文とか読ませる。

その時に、大学受験の時に、使ってたようなテクニックを使っていくこともできます。

要はね、ちゃんと理解できなかったとしても、テクニック的に、これはこうだ、これはこうだっていうのを当てはめていくことも、できなくはないです。

なので、そんなよりやり方もあるなんていうようなことを、覚えておいていただければいいのかなと思います。

まずは、何が原因なんですかっていうのを紐解いていく。

そして、その原因をクリアするためにどうすればいいのかっていうようなことを、考えていってはいかがでしょうかというお話です。

 

いかがでしょうか。

 

 

 

 

発達障害ラボ

室長 車重徳

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