皆さん、こんにちは。
発達障害ラボ室長の車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「WISC4検査を取っています。類似ってそもそもどう意味なんですか。」
というものです。
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類似は、2つの単語の似ているところ、共通点を見つけましょうということなんです。
ちょっと、質問の意味がわからないんですが、 例えば、言語って、お互いの共通認識のもとに成り立ってるものなんです。
要は、話してる側って、聞いてる側との共通認識がないと成り立たないんです。
例えば、酸っぱいっていったら、こちらはすっぱいは梅干しが代名詞という、梅干し=酸っぱいという形で考えてても、相手はすっぱいはレモンだよねっていう考えがある。
会話が成り立たないことがあると。
酸っぱいだと、分かりにくいかな。
例えば、 特別支援とか福祉の領域いる方に、お母さんに聞きますとお子さん手帳持ってますかなんて聞くと、普通は福祉や特別支援の領域であれば、手帳って言われたら、障害者手帳、いわゆる養育手帳さすよねってなると思うんです。
療育手帳、東京都だと愛の手帳とか、 埼玉だと緑の手帳とか、名古屋と愛子手帳って名前ついてますが、 手帳ありますかって聞いたら、そういう風に考えるよねと思います。ただ、冷静に考えて、手帳ありますかって、そういったことを知らない人に聞いたら、 普通はカレンダーがあって、予定書き込む手帳のことを指してると思うんです。
もしくは、 中学生、高校生に手帳ある?って聞いたら、もう生徒手帳出すんです。
もう警察官なら警察手帳みたいな。
要は、常識というか、一般常識の元に成り立っているっていうところがあると思います。だから、そこがずれると、会話が噛み合わないってことはあるよねってなります。
その類似っていう検査は、その単語についてなんです。
だから、共通認識をお互い持てますか。
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じゃあ、検査してる方に対してどう持つかって言うと、一般人に対して、 要はマイノリティなのかマジョリティーなのかっていうの見るんです。
マジョリティっていうのが多数、マイノリティが少数という形になります。
だから、例えば、この単語の意味はこういうことだよねっていうのが、少数派なのであれば、抽象的な言語概念だと、会話が噛み合わないってことはあるよねっていうことです。 もし、マジョリティー、多数派なのであれば、その単語使って伝わるよっていうことになるという考え方なんです。
それを、類似という検査で測っています。
だから、類似という項目は、もし低いのであれば、要は、単語を類推する力が弱いから、ちょっと曖昧な言い方だとか、例えを使った言い方だと、 意味がわかんないっていう可能性がありますよという風に考えることができるんです。
それを、類似という検査で行っているというところになります。
なので、WISC4の検査結果で、下検査の結果で見れるケース、見れないケースってのがあるとは思うんですけれど、もし類似が低い人がいれば、言葉の抽象的な概念の理解が低いとか、指示代名詞とか、人称代名詞とか、暗喩とか隠喩とかを使わないっていうような形で、会話を進めていくといいんじゃないかなって思います。
じゃあ、類似が低い場合のトレーニングってどんなことがあるのかって言うと、それは VCIの伸ばし方の研修でもやっているように、マジカルバナナみたいなやつです。
覚えてますか?
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マジカル頭脳パワーっていうテレビが昔あったと思うんですが、マジカルバナナ、 バナナといったら黄色、黄色と言ったらレモンみたいな、レモンといったら果物みたいな、そういうやつは結構伸ばせます。
それを色んなバージョンでやるとかっていうのは、手っ取り早いかなと思います。
そういったカルタも売っています。
そんなのやってみるのも面白いかなと思います。
いかがでしょうか。
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発達障害ラボ
室長 車重徳