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③WISC-Ⅴ検査の読み取りが、なぜ「PASS理論」からCHC理論へ移行していったのか
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⑬発達障がい児の学校での困りごとBEST 5とWISC-Ⅴ検査
⑲発達障害を抱える子どもの「平均寿命」が短い理由とその対策法
⑳発達障害があると「精神疾患」になる可能性が高い理由とその対策法
障害者差別は、社会の中に根深く存在する偏見や無理解、そして制度や環境の不備など、複合的な要因によって引き起こされます。
障害の種類によって差別が生じる背景や現れ方は異なる場合があり、それぞれの特性を踏まえた理解が必要です。
以下に、いくつかの代表的な障害別に、差別が起こる要因を詳しく説明します。
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1. 身体障害
身体障害は、肢体不自由、内部障害(心臓、呼吸器、腎臓、膀胱・直腸、免疫機能の障害など)、視覚障害、聴覚障害など、多岐にわたります。
1.1 肢体不自由
・能力への過小評価と先入観: 車椅子を使用している、歩行が困難であるといった外見から、「仕事ができない」「日常生活を送るのが難しい」といった能力を過小評価する先入観を持たれやすいです。
実際には、適切な支援機器や合理的配慮があれば、多くの業務を遂行できる可能性があります。
・物理的なバリア: 職場や公共施設、交通機関などに段差や狭い通路、エレベーターの未設置など、物理的なバリアが存在することで、社会参加が制限され、結果的に差別につながります。
「利用できないのは本人の責任」と捉えられがちですが、社会のインフラ整備の遅れが原因であることが多いです。
・コミュニケーションの困難さへの配慮不足: 意思伝達装置を使用している、発音が不明瞭であるなど、コミュニケーションに時間を要する場合や、代替手段が必要な場合があります。
周囲の理解不足や配慮の欠如は、情報へのアクセスを阻害し、孤立感を深めます。
・過度な同情や特別扱い: 一方で、過度な同情や「かわいそう」といった感情的な反応も、自立や社会参加を阻害する差別的な態度と言えます。
本人の意思や能力を尊重せず、一方的に支援しようとする姿勢は、尊厳を傷つけることがあります。
1.2 内部障害
・外見からは理解されにくい: 心臓病や呼吸器疾患、腎臓病などの内部障害は、外見からは分かりにくいため、「怠けている」「仮病を使っている」といった誤解を受けやすいです。
体調不良による急な休みや、ペース調整の必要性が理解されず、職場で不利益を被ることがあります。
・情報提供の不足: 内部障害に関する社会的な認知度が低いため、どのような配慮が必要なのかが理解されにくいことがあります。
また、障害者手帳の交付対象とならない場合もあり、支援を受けにくいという課題もあります。
・精神的な問題との誤解: 慢性的な痛みや倦怠感を伴う内部障害の場合、「精神的なものだ」と誤解され、適切な医療や支援につながらないことがあります。
1.3 視覚障害
・情報へのアクセス制限: 書籍やウェブサイト、案内表示などが十分に音声化、点字化されていない場合、情報へのアクセスが著しく制限されます。
「見えないのだから仕方ない」と放置されることは、社会参加の機会を奪う差別です。
・移動の困難さ: 街中の点字ブロックの不備や、駅員や周囲の人の適切なサポートがない場合、安全かつスムーズな移動が困難になります。
「自分で注意して歩くべきだ」という考え方は、社会の側の配慮不足を正当化する差別的な視点です。
・能力への偏見: 「視覚障害者は特定の仕事しかできない」といった職業に関する偏見が存在し、能力や適性に関わらず、職種の選択肢が狭められることがあります。
1.4 聴覚障害
・コミュニケーションの障壁: 会話による情報伝達が中心である場合、手話や筆談などのコミュニケーション手段が提供されないと、情報から孤立し、社会参加が困難になります。
「聞こえないのだから仕方ない」という態度は、コミュニケーションの権利を侵害する差別です。
・誤解や偏見: 聴覚障害者は、声の大きさの調整が難しかったり、聞き返しが多かったりすることがありますが、「非常識だ」「理解力がない」といった誤解を受けることがあります。
・情報保障の不足: テレビ番組や会議、講演会などで字幕や手話通訳がない場合、情報へのアクセスが制限されます。
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2. 知的障害
知的障害は、知的機能の発達が遅れており、日常生活や社会生活への適応に困難を伴う状態です。
・能力の過小評価と排除: 「何もできない」「理解できない」といった偏見から、教育や就労の機会が与えられにくく、社会から排除されることがあります。
実際には、丁寧な説明やサポートがあれば、多くのことを学び、働くことができます。
・一方的な保護と管理: 過度な保護や管理は、本人の主体性や自己決定の機会を奪い、「できない」というレッテルを貼る差別的な行為につながります。
・コミュニケーションの困難さへの配慮不足: 知的障害のある人は、言葉によるコミュニケーションだけでなく、視覚的な情報や具体的な指示を必要とする場合があります。
周囲の理解不足や配慮の欠如は、孤立や誤解を生み出します。
・いじめや虐待: 理解力や自己防衛能力が低いことから、いじめや虐待の対象になりやすいという脆弱性があります。
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3. 精神障害(発達障害を含む)
精神障害は、気分障害、統合失調症、不安障害などに加え、発達障害(自閉スペクトラム症、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害など)を含みます。
3.1 気分障害、統合失調症、不安障害など
・偏見とスティグマ: 「怖い」「危ない」「怠けている」といった偏見やスティグマが強く、社会的な孤立や差別につながりやすいです。
病気に対する正しい知識の欠如が、誤解や排除を生み出します。
・雇用の困難さ: 症状の波や服薬による影響などから、安定した就労が難しい場合があります。
企業側の理解不足や、合理的配慮の不足により、雇用機会が制限されることがあります。
・社会参加の障壁: 地域社会における理解や支援体制が不十分な場合、社会生活を送る上で様々な困難に直面します。
偏見から地域活動への参加を拒否されたり、住居を借りる際に差別を受けたりすることがあります。
・医療・福祉サービスの不足: 適切な医療や福祉サービスへのアクセスが十分でない地域や、サービス内容が個々のニーズに合わない場合があります。
3.2 発達障害(自閉スペクトラム症、ADHD、学習障害など)
特性への無理解:
・自閉スペクトラム症: コミュニケーションの特性や感覚過敏、強いこだわりなどに対する理解不足から、「変わった人」「わがまま」といった誤解を受けやすいです。
・ADHD: 注意力や集中力の欠如、衝動性などから、「だらしない」「努力不足」と評価されがちです。
・学習障害: 特定の学習能力の困難さが見過ごされ、「勉強嫌い」「能力が低い」と誤解されることがあります。
合理的配慮の不足:
発達障害のある人が能力を発揮するためには、個別の特性に合わせた合理的配慮が必要です。
しかし、学校や職場において、適切な配慮が提供されないことが多く、学習や就労の妨げとなります。
二次的な問題:
周囲の無理解や失敗体験の積み重ねにより、自己肯定感の低下、不安、抑うつなどの二次的な精神的な問題が生じやすいです。
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4. その他の障害
上記以外にも、高次脳機能障害、難病など、様々な障害があり、それぞれに特有の差別や困難が存在します。
共通して言えるのは、障害に対する無理解や偏見が、社会参加の障壁となり、差別を生み出しているということです。
差別が起こる根源的な要因
これらの障害別の差別の背景には、以下のような根源的な要因が存在します。
・無知と偏見: 障害に関する正しい知識がないために、誤ったイメージや先入観を持ちやすい。
メディアの影響や過去の負のイメージも影響しています。
・能力主義社会: 能力の高い人が優遇される社会構造の中で、障害を持つ人は「能力が低い」「役に立たない」とみなされやすい。
・正常性バイアス: 「普通」「当たり前」という基準から外れたものを排除しようとする心理が働く。
・コミュニケーション不足: 障害のある人とない人との間で、十分なコミュニケーションが取られていないため、相互理解が深まらない。
・制度や環境の不備: 障害のある人が社会参加するための制度や物理的な環境が十分に整備されていない。
・歴史的な背景: かつて障害のある人々が社会から隔離されていた歴史的な背景が、現代の差別意識にも影響を与えている。
差別の解消に向けて
障害者差別を解消するためには、社会全体で以下の取り組みが必要です。
・教育と啓発: 障害に関する正しい知識を普及させ、偏見やスティグマを解消するための教育や啓発活動を推進する。
・合理的配慮の義務化と徹底: 障害のある人が社会参加する上で必要な合理的配慮を、制度として義務化し、その実施を徹底する。
・アクセシビリティの向上: 物理的なバリアだけでなく、情報、コミュニケーション、サービスなど、あらゆる面でのアクセシビリティを向上させる。
・当事者のエンパワーメント: 障害のある人自身が声を上げ、社会参加を主体的に進めるための支援体制を強化する。
・共生社会の実現: 障害のある人もない人も、互いに尊重し合い、共に生きる社会を目指す意識改革を進める。
障害者差別は、個人の意識の問題だけでなく、社会全体の構造的な問題として捉え、多角的な視点から解決に向けて取り組む必要があります。
それぞれの障害特性を理解し、必要な配慮を行うことで、誰もがその人らしく生きられる社会の実現を目指すべきです。
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車 重徳