
皆さん、こんにちは。
発達心理サポートセンターの心理士/カウンセラーの車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「うちの子は九九がなかなか覚えられません。どうしたらよいでしょうか?」
というものです。
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九九は大体小学校2年生くらいで覚えていくかと思いますが、
九九ってどうやって覚えていましたか?
昔だと、1×1、1×2、1×3…と口に出して覚えていたかと思います。
なぜ、口に出して覚えるかというと、どういった流れで口に出して覚えているのかわかりますか。
実はポイントが二つあります。
まず1つ目のポイントっていうのは、1×1、1×2、1×3…繰り返して言っている子いるじゃないですか。
例えば、その子が、「先生、九九覚えたの。なんか質問出して。」と聞いてきます。
先生が「7×6は?」と聞くと、
1×1、1×2、1×3…と一の段からになりませんか。という話です。
あれってどういう流れなのかというと、実は聴覚記憶で覚えているんです。
繰り返し何度も言うと、同じだけ何度も自分の耳で聞いているんです。
聞くことによって覚えているという感じなんです。
その時に普通、多くの人が一の段から順番に聞いて覚えますよね?っていう話なんです。
九の段から、9×1,9×2…ってやる人いませんよね?
だから同じ順番で、言う事、聞く事で思い出すというスタイルなんです。
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もう一つあります。
もう1つのポイントは、音韻です。
音の羅列で覚えているんです。音の流れで覚える子供たちって何が考えられるのかっていうと、
九九を間違うんです。なぜ九九を間違えるのかというと、同じ母音は間違えるんです。
例えば、“しちしちしちじゅうしし”、“ししちじゅうし”みたいな感じです。
間違えやすいんです。
音の羅列で覚えちゃうっていうのも間違いやすい1つです。
聴覚記憶、耳で聞いたことを記憶する形が強い子は、
何度も何度も繰り返し言って耳で聞く事によって覚えればいいと思います。
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人間の情報のインプットって、目か耳かのどちらかなんです。
なので、もし耳より目のほうが記憶しやすいっていう子は、所謂フラッシュカードみたいな形で、目で瞬時に見ていってテンプレート化しちゃうっていうのもありなんです。
例えば、九九みたいに“3×7=21”と書いてあるカードを見て覚えるパターン、
“3×7”を見せるだけで21って出てくるように発展させるパターンもできます。
これが目で記憶させるパターンと、耳で記憶するパターンの違いなんです。
だから、まずは自分の子供が視覚優位なのか聴覚優位なのか、どっちのほうが情報を入れやすいのか知っておく必要があるんじゃないかなって思います。
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後は別件になりますが、九九の歌ってありますよね?
結構九九の歌で覚える子も多いと思います。
脳科学的に何か覚えることが、語呂合わせとかってやると思います。だけど、音楽のメロディ。
要はリズム、ラップとかになっていた方が記憶しやすいんです。
もし、記憶しなきゃいけないことがあるなら全部歌にして
それで歌にして全部覚えちゃうのもありなんです。
そういう記憶の仕方もあるんですが、目も耳も両方どうかな…っていう子は、歌、ラップソングっていうのも1つの考え方かなと思います。
私がよくやっていたのは、二桁×二桁、そういった計算まで全部テンプレートで入れちゃうことができると、めちゃめちゃ強いんです。
要は1の段から9の段まで81個覚えられるわけですから、その倍もいけるんじゃないかなっていう。
ただキーポイントがあります!
全部が全部覚える必要がないので、例えば11×11=121とか、12×12=144、13×13=169みたいな、この程度を覚えておくと、結構役に立つんです。
なので、覚えておくととっても便利じゃないかなと思います。
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もし道端で、11×11は何かわかりますか?って聞かれたときにも、さっと答えられたらとってもかっこいいじゃないですか。
計算手繰り上がりできないとか、繰り下がりができないという子が実際に出てきちゃうんです。実際にそういう子に対して、私が実際にやっていたのはテンプレート化して、さっきと同じように11×11=121という様に、入れこんじゃうっていう風にやっていました。
そういった形で覚えさせていくのはいかがでしょうか。
いかがでしょうか。
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発達心理サポートセンター
心理士/カウンセラー 車重徳