皆さん、こんにちは。
発達障害ラボ室長の車重徳です。
さて、こんな質問を頂きました。
「うちの子はすぐに物をなくします。どうしたらよいのでしょうか。」
というものです。
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何度かお話ししていますがWISCという知能検査があります。
その検査で言うと、すぐに物をなくすというのは知能ベースで考えるのか、興味ベースで考えるのかの2択になります。
まず知能ベースで考えるのであれば、PRI(知覚推理指標)というのが弱いと物なくしてしまいます。
何をどこに置いたのかというのがそもそも認識できません。
例えば、たくさんあるものの中から必要なものを探すことができません。
そこに2つ目に挙げた興味があればまだいいのですが、興味もないと、見つからない。
興味がないからどこに何を置いたかも忘れます。
しかし、視覚記憶と言って目で入れた情報、目で見たものを記憶する力を視覚記憶と言います。
それと対比で使われるのが聴覚記憶です。
聴覚記憶というのが耳で聞いた情報を記憶する力です。
目で見た情報を記憶する視覚記憶の力が強ければ、自分に興味がなくてもどこに何を置いたのか覚えていることができます。
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サヴァン症候群というのを聞いたことないでしょうか。
ランニング着て日本中旅してまわって、おむすびくださいっていう方いましたよね。
あの方はサヴァン症候群の方でした。
この方は旅先では一切絵をかいていないのですが、色々旅してまわって目で記憶して施設に帰ってから回った場所の絵をまとめて書いています。
目で見たものを詳細まで記憶できているのはサヴァン症候群の特徴です。
まれな例を上げましたが、目で見た情報を記憶することができれば、どこに何があるのかっていうのも記憶できているので、物をなくすことがないです。
見当たらなくても、見つけることができます。
沢山あるものの中から見つけるのは選択的注意という要素です。
選択的注意は僕はないです。
例えば、本屋さんに行きほしい本を探しています。
ほしい本が見つけられないです。
ずっと探している人いませんか。
店員さんに聞けばいいのに、聞くのも面倒になりもういいやと帰るというのが僕のパターンです。
この辺もPRI(知覚推理指標)です。
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これがないとそもそも見つけられないですし、興味がなければ物への執着もないので、忘れますよね。
なくてもいいやと軽い曖昧な気持ちになってしまうのかなと思います。
では、どうすればいいのでしょうか。
まずは、視覚記憶を鍛えることです。
簡単な例で言えば、間違い探し、迷路です。
これにはトレーニング効果があります。
選択的注意を鍛えるのであれば、たくさんあるものの中から1つ見つけるといトレーニングは例えば、みっけやひょっこりはんやウォーリーを探せが使えます。
沢山ある文字の中から1つだけ違う文字を探すというトレーニングもあります。
後は興味を持たせることです。
あるご家庭では、名前を付けて愛着を持たせました。
消しゴムであれば、好きなペットの名前を付けたりしてかわいがるようにしてみます。
突然その光景を見るとびっくりするかもしれませんね。
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他には報酬、トークンを与えている方もいました。
鉛筆であれば、5㎝くらいまで使い切ったら何かいいことがるみたいな。
ほしいものを買ってもらえるようにしている家庭もありました。
なくならないものは、1か月なくさずに出来たらこうしましょうという約束事をあらかじめつくって、物を買う方もいました。
そんなのを組み合わせていくといいんじゃないかなと思います。
いかがでしょうか。
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発達障害ラボ
室長 車重徳
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