· 

499【ゲーム】ゲームでストレス発散できないのは、なぜなのか

 

「ゲームでストレス発散ができる」とよく言われますが、実際には必ずしもそうとは限りません。

 

むしろ、ゲームのやり方やその人の心理状態によっては、ストレスを軽減するどころか増幅させてしまうこともあります。

 

その理由を理解するには、ストレスの本質とゲームが脳に与える影響の両方を考える必要があります。

 

 

 

 

まず、ストレスとは単なる疲れではなく、「自分ではコントロールできない状況が続くこと」によって生じる緊張状態です。

 

本来のストレス発散とは、身体や心の緊張を下げ、自律神経を副交感神経優位に戻すことを意味します。

 

散歩や入浴、安心できる会話などが有効なのは、心身をリラックス状態に導くからです。

 

しかし多くのゲームは、逆に脳を興奮状態に保ちます。

 

対戦型ゲームやスピードを求められるゲームでは、アドレナリンやドーパミンが分泌され、交感神経が活性化します。

 

これは一時的に爽快感をもたらしますが、緊張を完全に下げる働きではありません。

 

 

 

 

また、ゲームは「現実からの回避」として機能することがあります。

 

嫌なことを忘れるために没頭する場合、問題そのものは解決していません。

 

ゲームをやめた瞬間、現実のストレスがそのまま戻ってきます。

 

むしろ「また現実に戻らなければならない」という二次的なストレスが加わることもあります。

 

特に長時間のプレイ後は睡眠の質が低下し、翌日の疲労や集中力低下につながり、結果としてストレス耐性が下がります。

 

 

 

 

さらに、ゲーム内での勝敗や評価も新たなストレス源になり得ます。

 

負け続けることによる フラストレーション、オンライン上での対人トラブル、達成できない目標などは、脳に小さなストレス反応を繰り返し引き起こします。

 

本人は「楽しい」と感じていても、身体は緊張状態にあることがあります。

 

 

 

 

もちろん、すべてのゲームが悪いわけではありません。

 

適度な時間で楽しみ、終わった後に心身が軽くなる感覚があるなら、それは一つの気分転換です。

 

しかし、イライラが増える、やめた後に虚しさが残る、睡眠が乱れるといった兆候があれば、それは発散ではなく回避や依存に近づいている可能性があります。

 

 

 

 

真のストレス発散とは、緊張を下げ、安心感を回復させることです。

 

ゲームは刺激を与える娯楽であっても、必ずしも心を回復させる手段ではありません。

 

その違いを理解することが、健全な付き合い方を考える第一歩になります。

 

 

 

 

発達障害ラボ

車 重徳

《動画で学びたい人はこちらをクリック》