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506【育児】我が子が発達障害の場合、父親がなぜ、子どもを愛さなくなるのか

 

我が子が発達障害であると分かったとき、父親の中には育児への関与が減り、時に子どもそのものへの愛情表現が乏しくなるように見える場合があります。

 

これは単純に愛情がないというよりも、心理的な防衛や価値観の揺らぎが背景にあることが少なくありません。

 

 

 

 

まず、父親は「期待していた子ども像」が崩れることに強い衝撃を受けることがあります。

 

無意識のうちに「こう育ってほしい」「こう活躍してほしい」という理想を描いている場合、その理想と現実の間に大きな落差が生じると、喪失体験に近い感情が生まれます。

 

この喪失感や無力感を直視するのが苦しいため、距離を取るという形で心を守ろうとすることがあります。

 

 

 

 

また、男性は感情を言語化する経験が比較的少なく、「不安」や「悲しみ」をうまく表現できないまま、それが苛立ちや無関心の形で表に出ることがあります。

 

発達障害という言葉に対する理解不足や、「自分の遺伝ではないか」という無意識の罪悪感が、受け入れを難しくすることもあります。

 

その葛藤を抱えたまま子どもと向き合うのが辛く、結果として関与を避ける場合があります。

 

 

 

 

さらに、社会的役割意識も影響します。

 

父親は「問題を解決する役割」を自覚しやすい傾向がありますが、発達障害は努力や根性で解決できるものではありません。

 

どうにもできない現実に直面すると、役割喪失感が生じ、「関わっても意味がない」という思いに傾くことがあります。

 

これは愛情の欠如ではなく、コントロールできない状況への戸惑いの表れです。

 

 

 

 

加えて、周囲からの無理解や偏見を恐れる気持ちも関係します。

 

「普通であってほしい」という社会的圧力が強いほど、障害を受け入れることは心理的負担になります。

 

受容には時間が必要ですが、その過程で一時的に距離が生まれることがあります。

 

 

 

 

しかし、父親が完全に愛情を失っているわけではない場合が多いのです。

 

感情の整理が進み、正しい理解と支援に触れることで、関わり方は変化します。

 

大切なのは責めることではなく、父親自身の不安や喪失感にも目を向けることです。

 

発達障害の子育ては家族全体の心理的適応のプロセスでもあります。

 

父親の距離感の背後には、受け止めきれないほどの複雑な感情が存在していることが多いのです。

 

 

 

 

発達障害ラボ

車 重徳

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