「体調が悪い」と言って学校を休んだ子どもが家でゲームをしているという事実を目にしたとき、多くの大人は反射的に「サボっているのではないか」と感じます。
しかし、この状況を単純に怠けや不誠実さとして断定することは、必ずしも適切ではありません。
重要なのは、体調不良の意味をどのように捉えるかという視点です。
まず、子どもの「体調が悪い」という訴えは、必ずしも発熱や嘔吐といった明確な身体症状だけを指すとは限りません。
強い不安や緊張、対人ストレス、学習困難による疲労などは、腹痛や頭痛、倦怠感といった身体症状として現れることがあります。
これは仮病ではなく、心身の相互作用による実際の反応です。
そのような場合、学校という環境に対して身体が拒否反応を示している可能性があります。
一方で、家でゲームができているという事実が、親に疑念を抱かせるのも理解できます。
しかし、ゲームは強い集中と即時的な報酬を伴う活動であり、学校で求められる持続的努力や対人調整とは異なる負荷のかかり方をします。
学校では耐えられない心理的負荷があっても、ゲームであれば取り組めるというケースは少なくありません。
これは矛盾しているようでいて、実はよく見られる現象です。
とはいえ、すべてを心理的要因として免責するのも適切ではありません。
もし「休めばゲームができる」という経験が繰り返されれば、回避行動が強化される可能性があります。
ここで重要なのは、子どもを責めることではなく、状況を整理することです。
休む日は基本的に回復を優先する日とし、ゲームの扱いについては一定のルールを設けることが現実的です。
例えば、短時間に制限する、体調が本当に回復してからにするなど、家庭内での一貫した基準が必要です。
また、「サボり」と決めつける言葉は、子どもの自己評価を傷つけます。
もし本当に学校に対する不安や困難が背景にあるなら、そのラベルは信頼関係を壊す原因になります。
大切なのは、「今日はどうして学校がつらかったのか」「どこまでならできそうか」と対話を重ねることです。
結論として、この状況を直ちにサボりと認識するのではなく、背景を丁寧に見極める姿勢が求められます。
学校を休む理由とゲームの扱いを切り分け、子どもの心身の状態を尊重しながら、回避が固定化しないように支えていくことが、親としての現実的で建設的な対応といえるでしょう。
発達障害ラボ
車 重徳