562【WISC-Ⅴ】ウィスク5検査のワーキングメモリ指標(WMI)が低い子どもの育て方

 

WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査のワーキングメモリ指標、いわゆるWMIが低い子どもを育てる際に最も大切なのは、「集中力がない」「やる気がない」と決めつけないことです。

 

ワーキングメモリとは、情報を一時的に頭の中に保持しながら処理する力であり、先生の指示を聞いて行動に移す、計算を途中まで覚えながら解く、文章を読みながら内容を理解するなど、学校生活のあらゆる場面で使われています。

 

この力が弱いと、指示を途中で忘れたり、作業の手順が抜け落ちたりしやすくなります。

 

しかしそれは怠慢ではなく、情報を同時に抱える容量が小さいという特性なのです。

 

 

 

 

育て方の基本は、頭の中だけで処理させないことです。

 

長い口頭指示は避け、短く区切って伝えることが効果的です。

 

「教科書を出して、15ページを開いて、問題3をやって」という一連の指示ではなく、「まず教科書を出そう」「次に15ページを開こう」と段階を分けます。

 

また、視覚的なメモやチェックリストを使い、頭の中の負担を外に出す工夫が有効です。

 

板書を写すのが難しい場合は、写真で記録するなど環境調整も考えられます。

 

 

 

 

さらに、作業量を一度に多く与え過ぎないことも重要です。

 

ワーキングメモリが低い子どもは、同時処理が増えるほど混乱しやすくなります。

 

問題数を減らす、時間を区切る、途中で小休憩を挟むなどの工夫により、成功体験を積みやすくなります。

 

「最後までできなかった」よりも、「ここまでできた」を積み重ねることが自信につながります。

 

 

 

 

また、叱責は逆効果になりやすいことを理解する必要があります。

 

忘れ物や手順抜けを強く責められると、自己肯定感が下がり、不安が増します。

 

不安はさらにワーキングメモリの働きを低下させるため、悪循環が生まれます。

 

できなかったことよりも、工夫できたことに目を向ける姿勢が重要です。

 

 

 

 

ワーキングメモリは完全に固定された能力ではなく、経験や戦略によって補いやすくなります。

 

メモを取る習慣、手順を声に出して確認する方法など、外部ツールを使う力を育てることが現実的です。

 

大切なのは、「覚えていない」ことを責めるのではなく、「どうすれば覚えやすいか」を一緒に探すことです。

 

負担を減らし、安心して取り組める環境を整えることが、WMIが低い子どもにとって最も効果的な育て方なのです。

 

 

 

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発達障害ラボ

車 重徳

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