WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査を受けたあと、多くの保護者が悩むのが「この結果を学校にどう伝えればいいのか」という問題です。
せっかく特性が分かったのに、うまく共有できなければ支援につながりません。
一方で、数値だけをそのまま渡してしまうと、誤解を招くこともあります。
大切なのは、結果そのものではなく、「困りごとと支援の方向性」を伝えることです。
まず意識しておきたいのは、学校の先生はWISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の専門家とは限らないという点です。
指標名や数値を並べても、現場での具体的な配慮に結びつかないことがあります。
例えば「ワーキングメモリが低い」と伝えるだけでは不十分です。
「一度に複数の指示を覚えるのが難しいため、指示を短く区切ってほしい」「板書の写し取りに時間がかかるため、写真撮影を許可してほしい」といった具体的な困りごとと対応策をセットで伝えることが重要です。
また、全検査IQだけを強調しないことも大切です。
IQが平均であれば「問題ない」と受け取られることがありますし、逆に高いと「できるはず」と期待が高まり過ぎることもあります。
学校にとって必要なのは、その子がどの場面で負担を感じやすいかという実践的な情報です。
伝え方としては、まず面談の時間を設けてもらい、口頭で丁寧に説明するのが理想です。
その際、検査結果の要約レポートがあれば共有しつつ、家庭での様子も併せて伝えます。
「家ではこういう場面で困っています」という具体例は、先生にとって理解の助けになります。
対立的な姿勢ではなく、「一緒に支援方法を考えたい」という協働の姿勢が信頼関係を築きます。
WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の結果は、学校に『証明書』として出すものではありません。
支援をお願いするための共通言語です。
数値をそのまま渡すことよりも、その子の特性をどう活かし、どう補えばよいかを共有することが本質です。
結果を武器にするのではなく、橋渡しにする。
この視点を持つことが、学校との連携を成功させる鍵になります。
発達障害ラボ
車 重徳