WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査を受けて「指標間の差が大きいですね」と言われたとき、多くの保護者は不安になります。
凸凹があるという言葉は、どこか欠点のように聞こえるからです。
しかし実際には、凸凹は弱さの証明ではなく、その子の個性の輪郭です。
大切なのは、弱い部分を平均に近づけることよりも、強みをどう活かすかという視点です。
例えば、言語理解が高く処理速度が低い子どもは、深く考える力がありますが作業はゆっくりです。
この場合、「速くやりなさい」と求めるよりも、考える力を発揮できる場面を増やすことが強みを伸ばす鍵になります。
ディスカッションや発表、物語づくりなど、思考を活かせる活動は自信につながります。
同時に、時間配慮や課題量の調整を行えば、弱みは補えます。
また、視空間が得意で言語理解が弱い子どもであれば、図やイラスト、動画を使った学びが効果的です。
強みを使って弱みを支える環境を整えることがポイントです。
凸凹がある子どもほど、「できない部分」ばかりが注目されやすいですが、本人が得意分野で成功体験を積むことが、全体の安定につながります。
重要なのは、数値をそのまま評価にしないことです。
例えばワーキングメモリが低いと出ても、創造力や発想力が豊かな場合があります。
処理速度が低くても、慎重で丁寧な性格が強みになることもあります。
凸凹は短所と長所が表裏一体であることが多いのです。
家庭では、「どうしてできないの」ではなく、「どこなら輝けるかな」という問いかけが大切です。
学校とも連携し、得意な分野で役割を持たせることで自己肯定感が高まります。
WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査は欠点探しの道具ではなく、強み発見の地図です。
凸凹があるからこそ、その子らしい伸び方があります。
弱みを平均に揃えるのではなく、強みを軸に人生を組み立てる視点が、最も実践的な伸ばし方なのです。
発達障害ラボ
車 重徳