584【WISC-Ⅴ】ウィスク5検査で発達障害は診断できるのか

 

「WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査を受ければ発達障害かどうか分かりますか?」という質問は、非常に多く寄せられます。

 

不安を抱える保護者にとって、はっきりした答えが欲しいのは当然です。

 

しかし結論から言えば、WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査だけで発達障害を診断することはできません。

 

WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査は診断テストではなく、子どもの認知特性を多面的に把握するための心理検査だからです。

 

 

 

 

WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査では、全検査IQに加えて、言語理解、視空間、流動性推理、ワーキングメモリ、処理速度といった指標が算出されます。

 

これらの数値から、得意な力や負担になりやすい領域を読み取ることができます。

 

例えば、ワーキングメモリや処理速度が低い場合、注意欠如多動症(ADHD)を疑うヒントになることがありますし、言語理解と視空間のアンバランスが自閉スペクトラム症(ASD)を示唆することもあります。

 

しかし、それはあくまで「傾向」です。診断を確定するものではありません。

 

 

 

 

発達障害の診断には、行動観察、発達歴の聴取、面談、場合によっては他の検査など、複数の情報を総合的に判断する必要があります。

 

WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の結果はその中の一つの材料に過ぎません。

 

例えば、IQが平均でも強い社会的困難があればASDと診断されることがありますし、IQが低くても環境要因が主な原因である場合もあります。

 

数値だけで決まるものではないのです。

 

 

 

 

一方で、WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査は診断の有無に関わらず非常に価値のある検査です。

 

診断名がつくかどうかよりも、その子がどんな特性を持ち、どんな支援が合うのかを知ることが重要です。

 

診断がつかなくても、認知の凸凹があれば支援の工夫は必要です。

 

 

 

 

WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査は発達障害を「見つける」ための検査ではなく、「理解する」ための検査です。

 

診断名を求めて受けるよりも、困りごとの背景を整理するために活用するという視点が大切です。

 

数値に振り回されるのではなく、その結果をどう支援につなげるか。

 

それこそがWISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の本当の価値なのです。

 

 

 

 

発達障害ラボ

車 重徳

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