「もう全部捨ててしまいたい」
「夫も子どももいない人生に戻りたい」
そこまで追い詰められているとき、母はすでに限界を超えかけています。
この思いは冷酷さの証ではありません。
むしろ、それだけ長い間、我慢し、背負い、踏ん張ってきた証です。
まず必要なのは、自分を裁くことではなく、「私は相当疲れている」と認めることです。
発達特性のある子どもの子育ては、目に見えない負担が積み重なります。
学校との調整、将来への不安、周囲の無理解。
そして夫との温度差。
自分だけが全責任を抱えている感覚に陥ると、「逃げたい」という衝動が生まれるのは自然な反応です。
逃げたいという気持ちは、心が休息を求めているサインでもあります。
大切なのは、衝動のままに行動しないことと、孤立しないことです。
強い感情が湧いているときほど、決断を急がないことが重要です。
まずは距離を取る。
数時間でも一人の時間を確保する。
実家や友人、支援機関を頼る。
一時的に物理的距離を取ることは、逃げではなく調整です。
親が壊れてしまえば、家族全体が立ち行かなくなります。
また、「夫も子どもも捨てたい」という言葉の裏には、「助けてほしい」「一人で背負いたくない」という本音が隠れていることが多いものです。
直接ぶつけるのではなく、自分が何に限界を感じているのかを整理し、具体的に伝えることが必要です。
家事分担の見直し、療育や福祉サービスの利用、カウンセリングの活用など、現実的な支援を探すことが優先です。
もし怒りや絶望感が強く、衝動的な行動が心配な場合は、迷わず専門機関に相談してください。
助けを求めることは弱さではありません。
家族を守るための選択です。
「捨てたい」と思うほど苦しい今は、あなたが壊れかけているサインです。
その思いを否定するよりも、自分の心を守る行動を取ることが最優先です。
完璧な母でなくていいのです。
まずは今日を安全に乗り切ること。
それが未来を守る第一歩になります。
発達障害ラボ
車 重徳