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612【子育て】「叱らない子育て」を信じて実践し続けてしまった保護者の末路

 

 

「叱らない子育て」を信じて実践し続けてしまった保護者の末路

 

 

 

近年、「叱らない子育て」という言葉を耳にする機会が増えました。

 

 

 

SNSや育児書では、

 

「子どもを叱ってはいけない」

 

「怒ることは子どもの自己肯定感を下げる」

 

「子どもの気持ちを受け止めることが大切」

 

といった情報があふれています。

 

 

 

もちろん、その考え方自体には大切な要素があります。

 

 

 

怒鳴ることや恐怖で支配することは、健全な子育てとは言えません。

 

発達障害のある子どもであればなおさら、叱責よりも理解や支援が必要な場面はたくさんあります。

 

 

 

しかし、ここで大きな誤解が生まれることがあります。

 

 

 

それは、「叱らない」と「何も伝えない」を同じ意味だと考えてしまうことです。

 

 

 

実際の相談現場では、

 

「叱らない子育てを頑張ってきたのに、子どもが言うことを聞かなくなりました」

 

「学校や友だちとのトラブルが増えました」

 

という相談を受けることがあります。

 

 

 

よく話を聞いてみると、保護者は子どもを大切に思うあまり、嫌われることを恐れていたり、傷つけてしまうことを心配していたりするのです。

 

 

 

その結果、本来なら教えるべきルールや境界線まで曖昧になってしまいます。

 

 

 

例えば、人を叩いたとき。

 

 

 

物を壊したとき。

 

 

 

約束を守らなかったとき。

 

 

 

本来であれば、「それはしてはいけないことだよ」と伝える必要があります。

 

 

 

しかし、「叱ってはいけない」という考え方に縛られてしまうと、注意することそのものを避けるようになります。

 

 

 

すると子どもはどうなるのでしょうか。

 

 

 

子どもはルールを学ぶ機会を失います。

 

 

 

社会には自由だけではなく責任があります。

 

 

 

他人を傷つければ相手が悲しみます。

 

 

 

約束を破れば信頼を失います。

 

 

 

それらを学ぶのが子ども時代です。

 

 

 

つまり、適切な指導は子どもを縛るためではなく、社会の中で生きていく力を育てるために必要なのです。

 

 

 

また、「叱らない子育て」を極端に続けると、保護者自身が疲弊することがあります。

 

 

 

本当は困っているのに我慢する。

 

 

 

本当は嫌なのに笑顔で対応する。

 

 

 

本当は伝えたいことがあるのに飲み込む。

 

 

 

その状態が何年も続くと、ある日突然限界がやってきます。

 

 

 

そして、それまで我慢していた怒りが爆発してしまうことがあります。

 

 

 

これは決して珍しいことではありません。

 

 

 

実は子育てで本当に大切なのは、「叱らないこと」ではありません。

 

 

 

「感情的に怒らないこと」です。

 

 

 

必要な場面ではルールを伝える。

 

 

 

危険な行動は止める。

 

 

 

他人を傷つけたときは教える。

 

 

 

しかし人格を否定しない。

 

 

 

恐怖で支配しない。

 

 

 

これが本来の意味での適切な関わりです。

 

 

 

発達障害のある子どもでも同じです。

 

 

 

特性を理解することと、ルールを教えないことは全く別の話です。

 

 

 

子どもは愛情だけで育つわけではありません。

 

 

 

愛情と境界線の両方が必要です。

 

「何をしても受け入れる」ことが優しさなのではなく、「して良いことと悪いことを教える」こともまた愛情なのです。

 

 

 

叱らない子育てを信じ続けた保護者の末路とは、子どもをダメにすることではありません。

 

 

 

むしろ、親自身が苦しくなり、子どもとの関係に悩み続けることです。

 

 

 

本当に目指すべきなのは、叱らない親ではありません。

 

 

 

必要なことを穏やかに伝えられる親なのです。

 

 

 

 

 

発達障害ラボ

車 重徳

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