新版K式発達検査の結果をどのように保育園や幼稚園と共有するか
新版K式発達検査を受けた後、「この結果を保育園や幼稚園に伝えた方がいいのでしょうか」と相談を受けることがよくあります。
「結果を伝えると特別扱いされるのではないか」
「先生に先入観を持たれてしまうのではないか」
と不安に感じる保護者も少なくありません。
しかし、子どもが園生活をより安心して過ごすためには、検査結果を適切に共有することは非常に大切です。
まず理解していただきたいのは、新版K式発達検査の結果は「診断書」ではなく、「子どもの取扱説明書」のようなものだということです。
先生に伝える目的は、「この子は発達が遅れています」と知らせることではありません。
「このように関わると力を発揮しやすい子どもです」という情報を共有することなのです。
そのため、発達指数や発達年齢などの数字だけを伝えるのではなく、「何が得意で、何に配慮が必要なのか」を中心に話すことが重要です。
例えば、
「言葉だけの説明より、絵や実物があると理解しやすいです」
「活動の切り替えに少し時間が必要です」
「一斉指示より個別に声をかけてもらうと安心します」
といった具体的な情報の方が、保育士や幼稚園教諭は日々の保育に活かしやすくなります。
また、園の先生は家庭とは異なる場面で子どもの姿を見ています。
家庭では困っていないことでも、集団生活の中では難しさが現れることがあります。
反対に、家庭では苦手なことが園では自然にできている場合もあります。
そのため、一方的に検査結果を伝えるのではなく、「園ではどのような様子ですか」と先生からの情報も聞きながら、お互いに子どもの姿を共有する姿勢が大切です。
検査結果を共有するときには、「この子には配慮してください」というお願いだけにならないことも重要です。
「家庭ではこのような工夫をしています」
「少しずつできることも増えてきました」
といった前向きな情報も伝えることで、園と家庭が同じ方向を向いて支援しやすくなります。
さらに、検査結果は一度伝えて終わりではありません。
子どもは日々成長していきます。
半年後、一年後には困りごとが変わることも珍しくありません。
定期的に面談の機会を設け、
「最近はこんなことができるようになりました」
「今はここが課題です」
と情報を更新していくことで、より適切な支援につながります。
一方で、すべての数値や報告書を細かく説明する必要はありません。
専門的な用語だけでは、園の先生にも伝わりにくいことがあります。
大切なのは、
「この子はどのような環境なら安心して過ごせるのか」
「どのような声かけが効果的なのか」
を具体的に伝えることです。
新版K式発達検査の結果を保育園や幼稚園と共有する本当の目的は、子どもを特別扱いしてもらうことではありません。
子どもの特性を理解し、一人ひとりに合った関わり方を一緒に考えることです。
家庭と園が同じ方向を向いて支援することで、子どもは安心して生活し、本来持っている力を発揮しやすくなります。
検査結果は評価のための資料ではなく、子どもの未来を支えるための大切なコミュニケーションツールなのです。
発達障害ラボ
車 重徳