新版K式発達検査の結果を認めない夫にどう伝えるか
新版K式発達検査を受けた後、
「夫が検査結果を認めてくれません」
「気にしすぎだと言われます」
「男の子はみんなこんなものだと言って話を聞いてくれません」
という相談を受けることが少なくありません。
母親は子どもの困りごとを毎日見ているからこそ支援の必要性を感じています。
一方で、父親は子どもと過ごす時間が比較的短かったり、自分の子ども時代と重ね合わせたりして、「そのうち成長する」と考えることがあります。
このような認識の違いは決して珍しいことではありません。
まず理解しておきたいのは、夫が結果を受け入れられないからといって、子どもを大切に思っていないわけではないということです。
多くの場合、「我が子に困りごとがある」という現実を受け止めることへの戸惑いや、「障害という言葉を受け入れたくない」という心理的な抵抗が背景にあります。
親であるからこそ、現実を認めることがつらい場合もあるのです。
そのため、結果を伝えるときに
「先生がこう言っていたから」
「あなたが間違っている」
と説得しようとすると、かえって反発が強くなることがあります。
大切なのは、「検査結果が問題なのではなく、子どもが毎日困っていることを一緒に考えたい」という視点で話すことです。
例えば、「新版K式発達検査で発達指数が低かった」という数字だけではなく、
「集団活動になると指示が分かりにくそう」
「友達とのやり取りで困っていることが増えてきた」
「園の先生も同じように感じている」
といった具体的な場面を共有する方が、父親にも伝わりやすくなります。
数字を理解してもらうことが目的ではなく、子どもの生活上の困りごとを共有することが目的なのです。
また、「療育を受ける=障害を認める」という考え方を持っている父親も少なくありません。
しかし、療育や支援は診断名のためではなく、子どもの力を伸ばすためのものです。
「今のうちに苦手なところをサポートできれば、将来もっと生活しやすくなる可能性がある」と説明すると、理解が進むこともあります。
どうしても夫婦だけで話し合うことが難しい場合には、検査を担当した心理士や医師、療育機関のスタッフに同席してもらう方法もあります。
第三者から客観的な説明を受けることで、初めて納得できる父親も少なくありません。
一人で説得しようと抱え込む必要はないのです。
そして、最も大切なのは、夫婦で「どちらが正しいか」を争わないことです。
本当に向き合うべき相手は、お互いではなく子どもの未来です。
検査結果を認めることが目的ではなく、「この子が安心して成長できる方法を一緒に考えること」が目的であるという共通認識を持つことが大切です。
新版K式発達検査の結果は、子どもの可能性を狭めるためのものではありません。
むしろ、その子に合った関わり方を見つけるための大切な道しるべです。
夫婦で受け止め方に違いがあったとしても、焦って結論を出そうとせず、子どもの日々の姿を共有しながら少しずつ理解を深めていくことが、子どもにとって最も良い支援につながるのではないでしょうか。
発達障害ラボ
車 重徳