631【WISC-Ⅴ】放課後等デイサービスでウィスク5検査を導入する際、まず最初におこなうこととは何か

 

放課後等デイサービスでWISC-Ⅴ(ウィスク5)検査を導入する際、まず最初におこなうこととは何か

 

 

 

近年、放課後等デイサービスにおいて、WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査を導入したいと考える事業所が増えています。

 

子どもの認知特性を客観的に把握し、その子に合った個別支援計画や療育プログラムを作成するために、WISC-Ⅴは非常に有効なアセスメントツールだからです。

 

しかし、

「検査を導入したい」

と思ったとき、多くの事業所は最初に検査器具を購入したり、研修を探したりしようとします。

 

もちろん、それらも必要ですが、本当に最初に行うべきことは別にあります。

 

 

 

それは、

「なぜ自分たちの事業所でWISC-Ⅴを実施するのか」

という目的を明確にすることです。

 

 

 

実は、この目的が曖昧なまま導入すると、WISC-Ⅴは単なる

「IQを測る検査」

になってしまいます。

 

しかし、本来のWISC-ⅤはIQを知るための検査ではありません。

 

一人ひとりの子どもの認知特性を理解し、より効果的な支援へ結び付けるための検査です。

 

つまり、検査を実施することが目的ではなく、

「支援の質を高めること」

が目的でなければなりません。

 

 

 

例えば、

「利用児童の個別支援計画をより具体的にしたい」

「療育プログラムを認知特性に合わせて組み立てたい」

「学校や家庭との連携を強化したい」

といった明確な目的があれば、検査結果の活用方法も自然と見えてきます。

 

反対に、

「他の事業所も導入しているから」

「利用者募集のため」

といった理由だけでは、本来の価値を十分に発揮することは難しいでしょう。

 

 

 

次に考えるべきなのは、

「検査結果を誰がどのように活用するのか」

という体制づくりです。WISC-Ⅴは検査を実施して終わりではありません。

 

結果を読み取り、個別支援計画へ反映し、日々の療育に活かし、保護者や学校へ分かりやすく説明して初めて意味があります。

 

そのため、検査者だけでなく、児童発達支援管理責任者、児童指導員、保育士など、事業所全体で結果を共有し、支援へつなげる仕組みを作ることが重要です。

 

 

 

また、検査を担当する専門職の育成も欠かせません。

 

WISC-Ⅴは標準化された心理検査であり、正確な実施方法と採点、適切な結果の解釈が求められます。

 

研修を受講することはもちろんですが、それ以上に経験豊富な検査者からスーパービジョンを受け、実践を通して学び続ける姿勢が大切です。

 

検査技術だけでなく、発達心理学、特別支援教育、神経発達症、療育など幅広い知識を身につけることで、より質の高いアセスメントが可能になります。

 

 

 

さらに忘れてはならないのが、保護者への説明体制です。

 

検査結果を数字だけで説明しても、保護者の不安が大きくなるだけの場合があります。

 

「この子にはどのような強みがあり、どのような関わり方が効果的なのか」

を具体的に伝え、家庭でも実践できる支援方法を提案することが、放課後等デイサービスの大きな役割です。

 

検査は保護者を安心させ、子どもの可能性を一緒に考えるためのものでもあります。

 

 

 

そして最も大切なのは、

「検査によって子どもを評価しない」

という理念を事業所全体で共有することです。

 

WISC-Ⅴの目的は、子どもを優劣で比べることではありません。

 

その子だけの学び方や理解の仕方を知り、最も力を発揮できる支援方法を見つけることです。

 

 

 

放課後等デイサービスでWISC-Ⅴを導入する際、最初に行うべきことは、検査器具を購入することでも、研修を受けることでもありません。

 

「この検査を通して、子どもたちの未来をより豊かにしたい」

という事業所全体の目的を明確にすることです。

 

その理念があるからこそ、WISC-Ⅴは単なる心理検査ではなく、一人ひとりの可能性を引き出すための大切な支援ツールとして、本当の価値を発揮するのです。

 

 

 

発達障害ラボ

車 重徳

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